局在による脳腫瘍についてまとめました。 局在は以下のように大きく5つに分類します。
局在による脳腫瘍の鑑別
- テント上脳実質内腫瘍、大脳表在腫瘍
- 後頭蓋窩脳実質内腫瘍、小脳橋角部腫瘍
- 下垂体・下垂体近傍腫瘍
- 脳実質外腫瘍
- 多発脳腫瘍、広範進展する腫瘍
そしてそれぞれ、どのような腫瘍を鑑別に挙げていくべきかをみていきましょう。
1、テント上脳実質内腫瘍、大脳表在腫瘍
テント上脳実質内腫瘍
- 星細胞系腫瘍(膠芽腫>退形成性星細胞腫、びまん性星細胞腫)
- 乏突起膠腫 ・悪性リンパ腫
- 基底核胚細胞腫
- (退形成性)上衣腫
- Supratentrotial PNET ・DIG/DIA
大脳表在腫瘍
- 神経節膠腫(ganglioglioma)/神経節細胞腫(gangliocytoma)
- 多形黄色星細胞腫(PXA)
- 胚芽異形成性神経上皮腫瘍(dysembryoplastic neuroepithelial tumor:DNT)
- 乏突起膠腫(oligodendroglioma)
- 転移性脳腫瘍
- desmoplastic infantile ganglioglioma(DIG)
脳室内腫瘍
※青字は小児。
2、後頭蓋窩脳実質内腫瘍、小脳橋角部腫瘍
後頭蓋窩脳実質内腫瘍
小脳橋角部腫瘍
症例 80歳代 女性
左小脳橋角部に硬膜と広基性に付着する腫瘤あり。
dural tail signを認めています。
CISS像で内耳道を走行する神経との連続性は認めず。
髄膜腫を疑う所見です。
3、下垂体・下垂体近傍腫瘍
4、脳実質外腫瘍
脳実質内(intra-axial)か脳実質外(extra-axial)かの鑑別
がメイン。さらに、より細かく
造影効果あり
※血管外皮腫をmeningioma,SFTと画像上区別は困難。
※血管外皮腫は栄養血管が、脳軟髄膜下動脈であることが多い点がポイント。また、血管外皮腫、SFTはmeningiomaと比べて浮腫が強い。
造影効果なし
5、多発脳腫瘍、広範進展する腫瘍
多発脳腫瘍
広範進展
- 神経膠腫症
- 血管内リンパ腫