上衣腫(ependymoma)とは?

  • 脳室と密接な関係。
    ※上衣細胞:脳室や脊髄中心管の壁をなす円柱~立方形の細胞。
  • 脳室や脊髄腔に沿って発生する。原発性脊髄髄内腫瘍では最多。
  • 上衣腫は組織学的には細胞成分が多く、異型や核分裂像が少ないことや血管周囲性偽ロゼットや上衣ロゼットを特徴とし、WHO分類のgrade IIに相当する。過形成性の場合はgrade Ⅲ。
  • 組織学的亜型としてcenullar ependymoma、papillary ependymoma、clear cell ependymoma、tanycytic ependymomaなどがある。
  • これらとはまったく臨床的特徴が異なるmyxopapillary ependymomaはWHO分類のgradeⅠであり、脊髄円錐~馬尾~終糸に特異的に発生する。
  • 小児に多いが、30%前後は成人に発生。
  • 小児では、後頭蓋窩成人ではテント上
  • 後頭蓋窩では第4脳室底から発生。他、第3脳室、側脳室など。
  • 石灰化の頻度が高い(50%)。CTで評価。
  • 側脳室内の場合には中枢性神経細胞腫や髄膜腫、上衣下腫が鑑別の対象となる。ただし、上衣腫が純粋に脳室内腫瘍の形を取るのは稀

上衣腫(テント上)=成人の画像所見

  • 境界明瞭で柔らかく、嚢胞や出血を伴うことが多い。
  • MRI所見はT1強調像で低信号、T2強調像で高信号という非特異的なパターンだが、腫瘍内の出血や嚢胞、石灰化のために不均一な信号強度を示す。
  • 増強効果は腫瘍内の大小の嚢胞のために不均一であることが多い。
  • 髄腔内播種を伴う頻度も高く、治療前には脊髄を含む全中枢神経の造影MRIにて、播種の有無を確認する必要がある。
  • さらに出血を来しやすい腫瘍であり、脳表へモジデリン沈着の所見を合併することもある。

上衣腫(テント下)=小児

  • 成人ではテント下に発生する上衣腫と脊髄に発生する上衣腫は同程度であるが、小児の場合にはテント下に発生する場合が圧倒的に多い。
  • テント下に発生すると髄液路の閉塞による水頭症や頭蓋内圧亢進による症状で発症することがある。

※腫瘍性水頭症の頻度は、glioma > germinoma > medulloblastoma > craniopharyngioma > ependymomaの順に多い。

  • 退形成性上衣腫は上衣細胞から分化した悪性の神経修腫であり、WHO分類のgradeⅢに相当するWHO分類のgradeⅡの上衣腫と比べて進行が速く、より早期に頭蓋内圧亢進を示しやすい。
  • テント上の上衣腫と同様の所見を示す。第四脳室から発生することが多く、Magendi孔やLuschka孔を通じてくも膜下腔や脳底槽へと進展する(plastic ependymoma)こともある。
  • 石灰化の頻度は上衣腫で69%、PNETで29%、小脳星細胞腫で17%、脳幹神経膠腫で8%となっている。

脊髄発生の上衣腫

  • 原発性脊髄髄内腫瘍の40-60%を占め、成人では、最多。小児・若年者では、星細胞腫>上衣腫。
  • 30-40歳代で、やや男性に多い。
  • 頸髄に好発する。頚髄>胸髄>円錐に多い。
  • 3-4椎体の長さを示すことが多い。
  • cellular type(WHO分類gradeⅡ、Ⅲ)、粘液乳頭様上衣腫(myxopapillary type)(WHO分類gradeⅠ)に分けられる。
  • 症状は、頸部痛、背部痛、神経根性痛、歩行障害、痺れ、直腸膀胱障害。
  • 易出血性で腫瘍内や辺縁部に認め、T2WIで腫瘍の頭側や尾側、腫瘍内に低い信号のヘモジデリンの沈着を認め、cap signを呈することがある。(20-60%)
  • 腫瘍自体はT1WIで脊髄よりも低〜等信号、T2WIで等〜高信号。
  • 造影ではほぼ全例に造影効果を認め、造影効果は均一な事が多い。
  • 嚢胞形成をきたすことがある。腫瘍の辺縁(peritumoralcyst)、腫瘍内(intratumoralcyst)に嚢胞を認めることが多い。嚢胞・腫瘍内に出血を伴うことがある(嚢胞内に出血→液面形成)。
  • 石灰化は稀。ここは頭蓋内発生とは異なるところ。
  • 脊髄空洞症を合併しうる(腫瘍性脊髄空洞症)。
  • 脊髄上衣腫の3割を占める粘液乳頭様上衣腫は例外として、脊髄円錐〜終糸に発生し、Th9よりも頭側には発生しない。若年者に多く、出血の頻度が高い。そのため腫瘍周囲にヘモジデリン沈着を認めやすい。鑑別は、馬尾腫瘍の神経鞘腫や、終糸発生の神経節神経膠腫、傍神経節腫。

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