孤立性線維性腫瘍(solitary fibrous tumor:SFT)

  • 中皮下間葉系組織由来。低悪性度線維性腫瘍
  • 人口10万人あたり2.8人と比較的稀で成人、特に中高年に好発。性差なし。
  • CD34免疫染色が陽性となる特徴から、疾患概念として独立した。
  • 胸部では、2/3は臓側胸膜から、1/3は壁側胸膜側に発生する。
  • 最近では体のさまざまな部位、心膜、上縦隔、上気道、肺実質、乳房、鼻腔副鼻腔、気管、肝、甲状腺、耳下腺、骨膜、眼窩などにも発生することが報告されている。
  • 無症状の場合が多く、比較的増大してから発見されることがある。約8割が良性であるが、サイズが大きいもの(10cm以上)や壊死、出血を伴うものは悪性の可能性が高いとされる。
  • 好発年齢は60〜70歳代だが年齢層は広く,男女差はない
  • ごく稀に傍腫瘍症候群(インスリン様成長因子Ⅱ:IGF-Ⅱ)により低血糖を呈することもある。
  • 経過としては約80%が良好、20%が悪性である。
  • 良性でも再発あり、その後悪性化するものもある。
  • 予後因子として外科的完全切除が重要。

 

画像所見

CT所見

  • CTでは平滑な、しばしば分葉状腫瘤、有茎性腫瘤として認められる。
  • 胸腔では呼吸相や体動により病巣の位置の移動することが特徴的。葉間との関係がよくわかる。有茎性が2/3、広基性が1/3。
  • 約7%で石灰化を伴う。
  • 造影CTでは多血性で、線維成分を反映して、後期相で強い造影効果を有することが多い。
  • 腫瘍が小さいものは均一に造影されるが、腫瘍が大きい場合は内部に変性、壊死、出血などを伴う場合がある。

MRI所見

  • T1強調像、T2強調像とも線維成分を反映して不均一な低信号を呈することが多いと。
  • ただし、粘液腫様変性、壊死、出血を反映してT2強調像で高信号が混在することも多い。

参考文献

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