アミロイドーシスとは?

  • 細胞外に異常蛋白(アミロイド)および誘導体が蓄積することを特徴とする疾患群をアミロイドーシスという。
  • アミロイドは、単一のタンパクではなく、Congo red染色で橙赤色に染まり、偏光顕微鏡下で緑色に偏光を示すタンパク。
  • 沈着するアミロイド蛋白の由来による分類:アミロイドL蛋白(AL)、アミロイドA蛋白(AA)など。
  • AL型は1/3で多発性骨髄腫やB細胞リンパ腫を合併する。
  • AA型はRA(9割がこれ)、炎症性腸疾患、慢性骨髄炎、気管支拡張症、結核、嚢胞性肺線維症、シェーグレン症候群、LIPなどに続発する。
  • 肺のアミロイド沈着は、肺の限局性アミロイドーシス(AL型)と、全身性アミロイドーシスに続発するもの(AA型)がある。肺の場合は限局性が多い。
  • 肺アミロイドーシスの沈着様式による分類:①気管気管支型、②結節型、③肺実質型。
  • 全身性アミロイドーシスは主に③の病型をとり、 限局性アミロイドーシスは主に①、②の病型をとりやすいとされる。

肺アミロイドーシス①気管・気管支型:

  • 気管・気管支壁にびまん性~多発性にプラーク状や全周性のアミロイド沈着が見られる。ときに石灰化がみられる。
  • 喉頭・気管気管支に肥厚と石灰化が生じ、内腔が狭窄する。
  • 咳、喘鳴、血痰、呼吸困難などを生じるが無症状のこともある。
  • 鑑別診断:再発性多発軟骨炎気管軟化症多発血管性肉芽腫症(GPA)

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肺アミロイドーシス

②結節型:

肺アミロイドーシス③肺実質型(びまん性肺胞隔壁型):

  • 小葉間隔壁や血管周囲など広義間質肥厚を認める。多数の微細結節を伴うことが多い。 呼吸困難や咳、喀血をきたす。
  • 最も少ない型であるが、呼吸不全で死亡するため、臨床的には最も重要である。50%の浸潤影の中に結節状の石灰化を有する。
  • 鑑別診断:リンパ増殖性疾患

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