サルコイドーシス(sarcoidosis)とは?

  • 非乾酪性肉芽腫形成を特徴とする原因不明の全身性多臓器疾患。
  • 主な罹患部位は、肺門縦隔を中心とする全身のリンパ節、肺、皮膚、眼だが、心臓、肝、腎、神経、筋など全身のあらゆる臓器に見られる。

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  • 何らかの抗原(アクネ桿菌やα溶連菌など)に対する免疫反応による肉芽腫形成と考えられている。
  • 発症・発見年齢は若年(20-30歳代)と中年(40−50歳代)の二峰性
  • 本邦では、無症状で検診の胸部単純X線でBHLや肺野病変を指摘される症例が多い。
  • 有症状例では、霧視や羞明などの眼症状で発見されることが最も多く、次いで、皮疹、咳嗽、全身倦怠感など。
  • その他重要なキーワード:ぶどう膜炎、心臓伝達障害、血清ACE活性高値、ガリウムシンチで著明な集積、気管支肺胞洗浄液でリンパ球増多・CD4/8↑、血清Ca↑、ツベルクリンの陰転。

サルコイドーシスの病理

  • 確定診断は、組織学的な非乾酪性類上皮細胞性肉芽腫の照明による。
  • 病理学的には類上皮細胞性の組織球と多核巨細胞を中心とし、周囲をリンパ球で囲まれた乾酪壊死を伴わない肉芽腫が特徴的。
  • 肉芽腫は約100〜300μm以下だが、しばしば融合して径数mmの結節を形成する。
  • 肺の肉芽腫の分布は、リンパ管周囲といわれるようにリンパ管の分布する細気管支・血管周囲、小葉間隔壁、胸膜、肺胞壁の一部などに認められる。
  • 肺のサルコイド肉芽腫は70%の症例で自然経過で消失する。
  • 肺野病変を示す症例の10〜30%は不可逆的な肺の構造改変を来す。本邦において、肺の線維化を来す頻度は2.5%

肺サルコイドーシスのCT画像所見

  • 両側肺門リンパ節腫大(bilateral hilar lymphadenopathy)
  • 腫大リンパ節は融合傾向に乏しく、周囲への浸潤所見に乏しい
  • 肺野病変:広義間質(リンパ路)に一致する小結節や粒状影小葉間隔壁や胸膜が数珠状に肥厚したように見える。
  • 肺野病変は上中葉優位に分布。
  • 粒状影は肉芽腫の集簇に対応し、個々の粒状影が境界明瞭な粒として認識される。無数の小さな微小結節が集蔟し、大きな結節を形成するgalaxy signを認める。 ただし、これは活動性結核でも認める。
  • 径1cm以上の辺縁不整な結節や濃い浸潤影=肉芽腫の融合
    ※肺野の結節性病変としては小粒状影、5-10mm程度の小結節、10mm以上の大結節(alveolarあるいはpseudoalveolar sarcoidosisとも呼ばれる)があり、大きいものでは空洞を伴うことがある。
  • すりガラス影=HRCT解像度以下の微細な肉芽腫の集合
  • 肺野構造の歪み=肉芽の融合や線維化の進行。
  • Reversed halo sign。
  • HRCT所見は多彩で、画像所見が派手なわりに臨床的には無症状であるなど、画像所見と臨床症状に乖離があるのが特徴的。

sarcoidosis

BHLとは?

  • 両側肺門リンパ節腫大(bilateral hilar lymphadenopathyの頭文字をとってBHL)のこと。レントゲンやCTで見られる所見。
  • リンパ節は周辺の炎症を欠くことから周辺肺との境界は比較的鮮明で(Tbだと不鮮明になる)、癒合傾向に乏しく、単純撮影ではいわゆる馬鈴薯様の形態を示し、癒合傾向のある悪性リンパ腫との鑑別点になる。
  • リンパ節はびまん性に濃染されることが多い。
症例 30歳代女性 サルコイドーシス

sarcoidosis X ray BHL

胸部レントゲンにて両側肺門部のリンパ節腫大を認めています。

BHLと呼ばれる所見です。

sarcoidosis CT findings

胸部CTでは縦隔条件で肺門及び縦隔にリンパ節腫大を認めています。
(レントゲンのBHLに相当する所見です。)

肺野では右上葉に小粒状影の集簇を認めており、いわゆるGalaxy signの所見です。

sarcoidosis Ga scinti

ガリウムシンチでは、縦隔肺門リンパ節腫大に一致した集積を認めています。

これらの所見はサルコイドーシスに合致した所見と言えます。

症例 30歳代女性 サルコイドーシス

sarcoidosis1

胸部CTで葉間胸膜に粒状影・小葉中心性の粒状影・小葉間隔壁の肥厚を認めています。

sarcoidosis

気管支血管束上に粒状影あり。

サルコイドーシスによる肺病変に矛盾しない所見です。

 

サルコイドーシスのCT画像所見を動画でチェックする。

 サイコイドーシスの肺野病変

(小葉間隔壁・葉間裂を含む胸膜下間質・気管支血管束周囲間質に5mmまでの小結節が多発している。)

▶サルコイドーシスによる肺空洞病変:

  • 真の肺サルコイドーシスによる、すなわち微小な線維化を伴ったサルコイドーシスの非乾酪性壊死により形成された空洞はまれである。1.2〜7.7%(12〜19%)。
  • サルコイド肉芽腫が一塊となった虚血性壊死や虚血性ヒアリン線維織の流出により形成されると考えられている。
  • 多くの空洞は壊死性細菌感染によっても発生する。胸水や気胸、乳び胸はまれである。

鑑別診断

  • TB
  • 癌性リンパ管症
  • 肺の低悪性度リンパ腫(MALToma)
  • リンパ性間質性肺炎
  • multicetric castleman’s disease
  • idopathic plasmocytic lymphadenopathy(IPL)

▶サルコイドーシスとTbの鑑別点

サルコイドーシス Tb
2次小葉での分布 小葉中心+小葉辺縁→葉間胸膜までびっしり! 小葉中心→胸膜直下はspare
肺全体での分布 両側 約半数で孤立性
S1,2,6
Tree-in-bud +

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