多発血管性肉芽腫症(Granulomatosis with polyangitis(GPA))とは?

  • Wegener肉芽腫は今では、多発血管性肉芽腫症(Granulomatosis with polyangitis(GPA))と呼ばれる。
  • 上気道・肺の壊死性肉芽腫、全身性壊死性肉芽腫性血管炎、巣状壊死性半月体形成腎炎が三徴。
  • 40-60歳代に多い。
  • 症状は鼻閉、副鼻腔炎、鼻出血、発熱、体重減少、鞍鼻、聴力低下、喀血、咳嗽など。
  • 抗好中球細胞質抗体(ANCA)が陽性となる。通常は、PR3-ANCAであるが、MPO-ANCAが陽性になることも稀にある。
  • ステロイド、cyclophospamideの併用療法で多くは寛解。

関連記事:多発血管炎性肉芽腫症(GPA)の鼻腔、副鼻腔病変の画像診断

    多発血管性肉芽腫症の肺病変・気道病変

    • 両側多発結節・腫瘤の形成
    • 浸潤影、すりガラス影
    • 気道病変(気管・気管支・細気管支壁の肥厚、狭窄)

    が挙げられる。

    • 結節・腫瘤は数mm〜8cm程度の大きさで、両側、多発例が多い(90 ~ 93 %)。
      参考記事)多発肺結節の鑑別診断、画像診断
    • 全結節のうち15 ~ 20 %に空洞化(2cmを越えると空洞化の頻度上昇)を認める。空洞の壁は厚く、不規則であることが多い。
    • feeding vessel sign(結節に肺血管の流入する所見)を伴うこともある。
    • consolidationは胸膜直下に多い(23 ~ 30 %)。
    • GGAは肺出血や胞隔炎を示唆する所見である。
    • 特に声門下の気管、気管支壁に浸潤し、粘膜あるいは粘膜下に肉芽腫性病変を形成することがある。このとき気管気管支の壁肥厚や結節性病変として描出され、内腔の狭窄や石灰化を招く。

    症例 70歳代男性 喀痰、発熱、PR3-ANCA陽性

    GPA CT findings

    両側肺野末梢に多発浸潤影あり。周囲にすりガラス影(halo)あり。

    GPAと診断されました。

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