T1強調像で高信号を見たら…
- 脂肪(脂肪腫、奇形腫、類皮腫など)
- 亜急性期血腫(メトヘモグロビン、血栓や海綿状血管腫など)
- 高タンパク物質(Rathke嚢胞やその他の嚢胞成分など)
- 蛋白崩壊物質?(亜急性期脳梗塞)
- 下垂体後葉
- 新生児や分娩前後の妊婦の下垂体前葉
- 淡い石灰化 (surface effectが原因)
- ある種の常磁性体(肝性脳症、長期経管栄養での基底核のMnなど)
- メラニン(黒色腫)
- フリーラジカル(脳膿瘍の被膜など)
- 皮質梗塞での層状壊死
- 血流流入効果ないしflow-related enhancement
T2強調像で低信号をみたら…
出血
- 急性期~亜急性期血腫(赤血球内のデオキシヘモグロビンやメトヘモグロビン)
- 慢性期血腫(フェリチンやヘモジデリンの磁化率効果)
- 外傷による
- 腫瘍内
- 脳表ヘモジデリン沈着症
石灰化
- 生理的石灰化(基底核や小脳歯状核、大脳鎌、動脈壁など)
- 腫瘍内石灰化
- 代謝性疾患(副甲状腺機能疾患、ミトコンドリア脳筋症など):両側基底核に対称性
血流(flow void)
線維化
- 結核腫などの肉芽腫
- 線維成分豊富な腫瘍
- リンパ球性下垂体炎
- 肥厚性硬膜炎
- Rosai-Dorfman症候群
- Erdheim-Chester病など
高細胞密度の腫瘍
※DWIが有用。
粘液/高蛋白成分
鉄沈着/微小元素/フリーラジカル
- 淡蒼球や被殻、中脳の黒質、赤核、小脳歯状核の生理的沈着やヘモジデローシス
- 筋萎縮性側索硬化症:中心前回皮質に沿ったT2WI、SWI低信号でmotor band signと呼ばれる。
- Wilson病
- 早期虚血
- 脳膿瘍の被膜:SWIで同心円状の辺縁の低および高信号を認めることがあり、dural rim signと呼ばれ、脳腫瘍との鑑別に有用。
T1強調像/T2強調像で低信号(low)/低信号(low)をみたら…
- デオキシヘモグロビン → 急性期出血
- ヘモジデリン → 慢性期出血
- 線維成分に富む組織 →髄膜腫、子宮筋腫
T1強調像/T2強調像でvery low/very lowをみたら…
- ガス → 肺、副鼻腔
- 高度の石灰化 → 骨皮質
- フローボイド → 動脈
T1強調像/T2強調像で高信号(high)/低信号(low)をみたら…
- メラニン → 悪性黒色腫
[脂肪 → 脂肪腫、奇形腫]
※脂肪がT1 highの理由・・・脂肪酸や中性脂肪などの分子運動の周波数がたまたま共鳴周波数と近いから
T1強調像/T2強調像で高信号(high)/高信号(high)をみたら…
- 脂肪 → 脂肪腫、奇形腫
※T1強調像で白い - メトヘモグロビン → 亜急性期出血
- 高濃度の液体 → 卵巣のう腫の一部
T1強調像/T2強調像で低信号(low)/高信号(high)をみたら…
- 大部分の疾患 →脳梗塞、星細胞腫、肝細胞癌、肝嚢胞など
※「水」は真っ黒/真っ白