Erdheim-Chester病(Erdheim-Chester disease:ECD)
- 非ランゲルハンス細胞組織球症(non-Langerhans form of histiocytosis)の一病型。組織球症の一つで泡沫状の組織球(Touton型巨細胞を伴う)浸潤が特徴。
- まれな疾患であり、2019年時点で1,000例ほどの症例報告がある。
- 中年男性に多い。
- 骨、下垂体、肺、大動脈、後腹膜など多くの臓器に病変を認める。
- 骨痛(下肢痛)を認めることが多い。
- 他、肝脾腫、尿崩症、心不全、肺線維症、汎血球減少。
- 一般に緩徐進行する。
Erdheim-Chester病の画像所見
- 長管骨骨幹端部硬化影、hairy kidney(腎周囲脂肪織の浸潤影)、coated aorta(大動脈周囲の広汎な軟部影)、右房偽腫瘍を認めることがある。
- 脳では、脳実質外病変:単発/多発の髄膜腫瘤、腫瘤中心から放射状に伸びる帯状信号変化”stellate appearance”が特徴的。
- 視床下部・下垂体病変:LCHとの同様所見。
- 副鼻腔など顔面の骨硬化性病変や眼窩腫瘤。
症例 40歳代男性
引用:radiopedia
レントゲンで下肢にびまん性のほぼ対称的な骨硬化症を認めています。
また腹部CTで主要血管の周囲を含む広範な後腹膜の軟部影を認めています。
後腹膜の生検により、Erdheim-Chester病と診断されました。
参考文献:
- 新 骨軟部画像診断の勘ドコロ P304ー305
- 頭部画像診断の勘ドコロ P217ー221
- 画像診断に絶対強くなるワンポイントレッスン3 P46
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