Rosai-Dorfman病

  • Rosai-Dorfman病(sinus histiocytosis with massive lymphadenopathy)は良性反応性の組織球増殖性疾患である。
  • 両側頚部リンパ節の無痛性腫大と発熱、白血球増多、高γ‐グロブリン血症、赤沈亢進を認める。
  • 主病変はリンパ節にあるが節外のみに限局する症例もある。
  • 中枢神経浸潤は5%と少ない。節外病変(40%)は上気道、唾液腺、眼窩、副鼻腔、骨にみられる。
  • Erdheim-Chester病同様に非LCH症のひとつ。
  • 20〜40歳代に多く、やや男性の方が多い。
  • 発症にはEBVやHSV-6への免疫反応が関与していると考えられている。
  • 治療は外科的切除、ステロイド、放射線治療、化学療法で基本的に予後は良好。

画像所見

  • 髄膜腫に類似した硬膜を主体とする単発および多発性病変。
  • 70%ではリンパ節腫大を伴わない。
  • T2強調像で低信号~淡い高信号とさまざまな信号強度(T2WI低信号が多い。)を呈し、均一な造影効果を呈する。
  • 鞍上部病変ではLCH、サルコイドーシス、Erdheim-Chester病と類似した所見を呈する。
  • 肥厚に乏しい場合には肥厚性硬膜炎に類似した状態にもなりうる。
  • 脳実質内病変を呈した報告も存在するが稀。
  • リンパ節腫大を伴わないことも多いため、硬膜病変の鑑別にあげる必要がある。

鑑別診断

  • 単発の時は髄膜腫。
  • 多発の時はLCH、Erdheim-Chester病、サルコイドーシス、悪性リンパ腫、germinomaなどが鑑別に挙げられるが難しい。

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