腹膜炎の原因

腹膜炎の原因としては、

  1. 消化管穿孔
  2. 子宮、卵巣
  3. 肝膿瘍、胆嚢炎の穿破
  4. 外部からのコンタミ
  5. 急性腹症以外

に大きく分ける事が出来ます。

他、癌性などはこちらにまとめました。

関連記事:腹膜炎の原因(癌性、炎症性、その他)

①消化管穿孔による腹膜炎

消化管穿孔による腹膜炎およびその原因疾患としては

といったものが挙げられます。

②子宮、卵巣からの腹膜炎

子宮、卵巣からの腹膜炎としては、

が挙げられます。

③肝膿瘍、胆嚢炎の穿破

  • 肝膿瘍の肝外・腹腔内への破綻
  • 胆嚢炎の穿破および腹膜への破綻

が挙げられます。

④外部からのコンタミ

体内外を交通するカテーテル類を通しての感染によるものがあります。

⑤急性腹症以外の腹膜炎

急性腹症以外では、

  • 癌性腹膜炎
  • 結核性腹膜炎

が挙げられます。

腹膜炎のCT画像所見

腹膜炎を疑うCT画像所見としては、

  • free air(腹腔内遊離ガス)、腸間膜内ガス
  • dirty mass sign(糞塊の逸脱)
  • 大網や腸間膜の脂肪織濃度上昇
  • 腹膜・腸管壁(漿膜側)の壁肥厚
  • 腹水、膿瘍
  • 麻痺性イレウス

といったものがあります。

症例 20歳代女性

虫垂壁の破綻、膿性腹水貯留を認めています。

また広汎な脂肪織濃度上昇および腹膜の肥厚を認めています。

虫垂炎穿孔による腹膜炎を疑う所見です。

また漿膜側と思われる腸管壁肥厚を認めており、小腸の液貯留および拡張を認めています。

腹膜炎による漿膜側への炎症波及および麻痺性イレウスを疑う所見です。

 

参考:臓側腹膜と壁側腹膜

ちなみに先ほどの症例で腹膜の肥厚と表記しているのは厳密には壁側腹膜の肥厚ということになります。

腹膜には上のように壁側腹膜と臓側腹膜がありますが、腹膜炎の際に肥厚して見えやすいのは壁側腹膜です。

臓側腹膜の肥厚は、腹膜炎の結果、肝被膜に炎症を認めたり、Fitz-Hugh-Curtis症候群のように肝被膜炎を呈した場合は画像でも指摘できることがありますが、それ以外の消化管では基本的に指摘は難しいです。

関連記事:感染性腹膜炎の原因疾患とその割合

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