腹膜炎の原因には
- 癌性腹膜炎
- その他の腫瘍性病変
- 炎症による腹膜炎
がある。
癌性腹膜炎の原因
- 胃、大腸の癌の頻度が高いが、膵も原発となることがある。
- 女性であれば、卵巣癌や子宮体癌が原因となることがある。
- 漿液性癌の組織像でありながら、これらの臓器に原発を認めない場合、従来、腹膜癌と呼ばれてきたが、最近ではSTIC(serous tubal intraepithelial carcinoma)と呼ばれる卵管の上皮内癌に由来すると考えられている。
- 他、稀だが、腹腔外である乳癌、肺癌、悪性黒色腫が原発となることがある。
その他の腫瘍性病変
- 大網に水に近い濃度の播種所見を認めた場合、腹膜偽粘液腫を考える。これは、多くが虫垂由来だが、膵や肝の粘液産生性不要も原発となることがある。
- 悪性中皮腫が生じることがある。
- 悪性リンパ腫が腹腔や大網にびまん性に浸潤することがあり、腹膜リンパ腫症(peritoneal lymphomatosis)と呼ばれる。
炎症による腹膜炎
- 結核性腹膜炎(癌性との鑑別が難しいことがあるが、癌性の場合は腹膜の肥厚が結節状、結核性の場合は広範囲でかつ平滑な肥厚として認める)
- 化学性腹膜炎(卵巣の内膜症性嚢胞や成熟嚢胞性奇形腫の破裂による。)
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参考文献:画像診断 Vol.41 No.4 増刊号 2021 P158-160
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