びまん性粒状影を来す疾患の鑑別
感染症
- 非結核性抗酸菌症(NTM)
- 粟粒結核
- 真菌感染(特にクリプトコッカス)
- ウイルス肺炎(特に水痘ウイルス)
- マイコプラズマ肺炎
- サイトメガロウイルス肺炎
※水痘肺炎では、活動性肺炎の時期も治癒後も認められる。治癒後には石灰化を要する場合あり。
吸入性
症例 20歳代男性 夏型過敏性肺臓炎(亜急性型)
両側肺野にびまん性に小葉中心性の淡い粒状影〜結節影を認めています。
右下葉にはair trappingあり。
トリコスポロン陽性であり、夏型過敏性肺臓炎と診断されました。
このCT画像をチェックする。→過敏性肺臓炎のCT画像所見
腫瘍性
- 甲状腺癌の転移
- 腺癌転移
- 悪性リンパ腫
その他
- サルコイドーシス
- 好酸球性肉芽腫
- びまん性汎細気管支炎
- 膠原病肺(関節リウマチ、シェーグレン症候群)
- HTLV-1関連気管支病変
- 多発血管炎性肉芽腫症、好酸球性肉芽腫性多発血管炎
- 多中心性Castleman病
- 呼吸細気管支炎
症例 30歳代女性 サルコイドーシス
胸部CTでは縦隔条件で肺門及び縦隔にリンパ節腫大を認めています。
(レントゲンのBHLに相当する所見です。)
肺野では右上葉に小粒状影の集簇を認めており、いわゆるGalaxy signの所見です。
腫瘤影、結節影、粒状影の定義
- 3cm以上→腫瘤影
- 5mm-3cm→結節影
- 2-5mm→粒状影
※2mm以下は粟粒影と呼ばれる。ただし、単発ではなくびまん性の分布を示すもの。
参考)画像診断 vol.36 No.3 2016 P243-252