Castleman病(キャッスルマン病)とは?

  • まれな原因不明のリンパ増殖性疾患。
  • 病理組織学的から、硝子血管型((ヒアリン血管型)(hyaline vascular type):90%)と形質細胞型(plasma cell type)に分類され、さらに両方の組織学的特徴をもつ混合型(mixed type)とがある。
  • 一方で、臨床像により、単発の病変を形成する限局型(単中心性)Castleman病(unicentric Castleman disease:UCD)と、全身性にリンパ節腫大に全身症状を伴う全身型(多中心性)Castleman病(multicentric Castleman disease:MCD)に分類される。
  • 限局型(単中心性)Castleman病のほとんどが硝子血管型(hyaline vascular type)。
  • 全身型(多中心性)Castleman病のほとんどが形質細胞型(plasma cell type)。
  • 全身型は、腫大リンパ節からIL-6が過剰に産生されることが原因の免疫組織反応と考えられている。
  • 限局型は40歳代での発症が最多で、男性より女性に多い。
  • 全身型はやや高齢者に多く、女性より男性に多いとされる。
  • 限局型の大部分は無症状。
  • 全身型では発熱、全身倦怠感、食欲不振、体重減少、発疹、間質性肺疾患、肝脾腫、腹水などの全身症状や、貧血、CRP高値、低アルブミン血症、高γグロブリン血症といった検査値異常を伴うことが多い。
  • リンパ節病変は70%が胸部、15%が頸部、15%が腹部・骨盤部に形成される。
  • 限局型の発生部位は縦隔が60%と最多で、他、腹部、頸部、肺、腋窩、副腎などの報告がある。

Castleman病の画像所見

限局型(単中心性)Castleman病

  • 限局型(単中心性)Castleman病の多くは硝子血管型で、境界明瞭な単発のリンパ節腫大で発症することが多い。
  • 変性や壊死を伴うことが少ないため、単純CTで内部均一で、豊富な血流を反映して造影CTでは中等度〜高度の造影効果を示す。ダイナミックでは動脈相では不均一、静脈相で均一となる傾向がある。
  • 5~10%で石灰化を有する。

全身型(多中心性)Castleman病

  • 全身型(多中心性)Castleman病の多くは形質細胞型で、多数のリンパ節腫大を認める。
  • 肺内病変(多発すりガラス影や浸潤影、小葉間隔壁肥厚、小葉中心性結節、気管支血管束肥厚など)を認めることがある。
  • 造影効果は一般に 硝子血管型に比して低い。

Castleman病のFDG-PET所見

  • FDG集積は平均的には高悪性度リンパ腫よりは低いが高いこともある。
  • 全身型(多中心性)の方が限局型(単中心性)よりも高く、有症状の方が無症状よりも高い傾向にあり、病勢を反映していると考えられる。

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参考文献:

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