
コンソリデーション(consolidation・浸潤影)とは、肺胞の空気がほかのもので置きかわり、中の血管が見えなくなるほど白くなった胸部CTの陰影です。血管が透けて見える淡い影がすりガラス影(GGO)で、この2つの違いと、原因・鑑別の考え方を研修医のハジメくんと一緒に実際のCT画像で整理します。
先に結論
- コンソリデーション(浸潤影)とは、肺胞の空気が膿・水・血液・細胞などに置きかわり、中の血管の輪郭が見えなくなるほど白い陰影。
- すりガラス影(GGO)は、白くても中の血管や気管支が透けて見える淡い陰影。違いは「血管が見えるかどうか」。
- どちらも病名ではない。経過(急性か慢性か)・分布・一緒にある影と合わせて原因を考える。
目的から読む: コンソリデーションとは / すりガラス影とは / 違い・見分け方 / 原因 / 無気肺との違い / 浸潤影との違い / すりガラス影の鑑別
コンソリデーション(浸潤影)とは? 意味と胸部CTの見え方
コンソリデーションとは、胸部CTで肺胞の中の空気が別のもので置きかわり、肺の血管の輪郭が見えなくなるほど白くなった陰影のことです。「consolidation」はもともと「固まること」という意味で、日本語では「浸潤影」と呼ばれることが多い所見です。

正常の胸部CTで見えるもの

上のCT画像で黒いところ(低吸収部位)は左右の肺実質(肺胞に空気が含まれている状態)です。その中に見える白い線は、肺の血管(肺動脈と肺静脈)です。肺動脈に赤色、肺静脈に青色をつけると次のようになります。

コンソリデーションの定義
コンソリデーションとは、肺胞内の空気が消失して、内部の血管が認識できなくなった陰影を指します。Fleischner Societyの用語集では「肺血管と気道壁の辺縁を覆い隠す、均一な肺の吸収値の上昇」とされ、中に気管支透亮像(air bronchogram)を伴うことがあります(Hansell 2008)。肺胞性肺炎・肺胞性肺水腫・肺胞出血など肺胞性の病変で多くみられます。これらの胸部画像用語の標準的な定義は、2024年に2008年版を置き換える改訂版が公開されています(Bankier 2024)。
症例 60歳代男性 肺炎・肺化膿症

右肺の陰影は真っ白で、黒い肺実質の中にあるはずの白い血管が見えません。これがコンソリデーションです。
コンソリデーションは、結節や腫瘤のように「かたまり」として認識できるものには使わず、肺の一定の範囲に広がる濃い陰影に対して用いる言葉です。
すりガラス影(GGO)とは? 血管が透けて見える淡い影
すりガラス影(ground-glass opacity: GGO、読み方はジージーオー)とは、肺が淡く白くなっていても、中の血管や気管支の輪郭が透けて見える陰影です。すりガラス越しに向こうがぼんやり見えるイメージです。
コンソリデーションが内部の血管が見えない陰影であるのに対して、すりガラス影は、中の血管が認識できる程度の陰影です。用語集では「気管支と血管の辺縁が保たれる、もやっとした肺の吸収値の上昇」とされ、肺胞の一部が液体などで満たされる、間質が厚くなる、肺胞が部分的につぶれる、毛細血管の血液量が増える、などで生じます(Hansell 2008)。間質性病変が多いですが、含気が残っている肺胞性の病変でもみられます。

白い血管が見える程度の、薄い白さを示すのがすりガラス影です。
症例 70歳代女性 インフルエンザウイルス肺炎

先ほどの肺炎・肺化膿症の症例と比べて、陰影が淡い(白さが薄い)ことがわかります。拡大すると次のようになります。

陰影の中を白い血管が通っているのがわかります。これがすりガラス影です。
コンソリデーションとすりガラス影の違い・CTでの見分け方
見分けるポイントは1つで、陰影の中に肺の血管(と気管支の壁)の輪郭が見えるかどうかです。見えなければコンソリデーション、見えればすりガラス影です。同じ病気の中で両方が混ざることもよくあります。

| コンソリデーション(consolidation) | すりガラス影(GGO:ground-glass opacity) | |
|---|---|---|
| 見え方 | 肺が真っ白になり、中の血管が見えない | 淡く白いが、中の血管や気管支が透けて見える |
| 中で起きていること | 肺胞の空気が、膿・水・血液・細胞などにほぼ完全に置きかわる | 肺胞の空気が部分的に減る・壁が厚くなる |
| 代表例 | 細菌性肺炎、肺胞性肺水腫、肺胞出血、器質化肺炎など | 間質性肺炎、ウイルス性肺炎、肺水腫、早期の肺腺がんなど |
コンソリデーションの原因: 肺胞を何が満たしているか
コンソリデーションの原因は、肺胞の空気が何に置きかわったかで整理します。膿・炎症の滲出液(肺炎)、水(肺水腫)、血液(肺胞出血)、細胞(腫瘍・器質化肺炎など)、蛋白・脂質(肺胞蛋白症など)の5つです。CTの見た目だけでは中身を区別できないため、経過(急性か慢性か)と分布を組み合わせます。

| 肺胞を満たすもの | 代表的な病気 |
|---|---|
| 膿・炎症の滲出液 | 細菌性肺炎、誤嚥性肺炎、肺結核 |
| 水(漏れ出た液体) | 心原性肺水腫、ARDS |
| 血液 | 肺胞出血、肺挫傷 |
| 細胞 | 浸潤性粘液性腺癌などの肺腺癌、リンパ腫、器質化肺炎、好酸球性肺炎 |
| 蛋白・脂質 | 肺胞蛋白症、リポイド肺炎 |
多発するコンソリデーションでは、症状が数日〜数週の急性なら肺水腫・肺炎・肺出血が多く、放射線肺炎や急性好酸球性肺炎も考えます。数週〜数か月の慢性なら肺胞蛋白症、リンパ腫や腺癌などの腫瘍、肉芽腫性・炎症性の病気、リポイド肺炎を考えます(Kjeldsberg 2002)。

コンソリデーションの中に見えるサイン: air bronchogram・reversed halo sign
コンソリデーションの中に気管支が黒く抜けて見えるのが気管支透亮像(air bronchogram)で、肺胞は埋まっていても気管支に空気が残っていることを示します。すりガラス影を輪状のコンソリデーションが囲む像は reversed halo sign と呼ばれます。

Q. コンソリデーションの中に気管支が黒く抜けて見えるのはなぜですか?
A. 肺胞の空気が滲出液などに置き換わって肺が「固く」なる一方、気管支には空気が残るためです。Fleischner Societyの用語集でも、コンソリデーションには気管支透亮像(air bronchogram)を伴うことがあるとされています(Hansell 2008)。
Q. すりガラス影をコンソリデーションが輪状に囲む像は何ですか?
A. 中心のすりガラス影を三日月状〜輪状のコンソリデーションが囲む像はreversed halo signと呼ばれます(Gasparetto 2005)。感染症・非感染症の幅広い病気でみられる非特異的な所見で、背景の所見と合わせて判断し、確定には組織診断が必要なことも多いです(Marchiori 2011a)。
Q. reversed halo signで器質化肺炎と結核は見分けられますか?
A. 最も多い原因は特発性器質化肺炎(COP)とされますが、輪の壁が結節状、または輪の中に結節がある場合は活動性肺結核を強く疑います(Marchiori 2011b)。
コンソリデーションと無気肺の違い
どちらも肺が白く見えますが、無気肺は肺胞がつぶれて空気が抜けた状態なので、肺の容積が小さくなります。コンソリデーションは原則として容積が減りません。葉間裂・横隔膜・縦隔が白い側へ引き寄せられていれば無気肺を考えます。

無気肺も肺が白く見えますが、肺胞がつぶれて空気が抜けた状態で、肺の容積が小さくなる(葉間裂や横隔膜・縦隔が引き寄せられる)のが特徴です。コンソリデーションは原則として容積減少を伴わない点で区別します(Hansell 2008)。
コンソリデーションは日本語で「浸潤影」? 均等影・融合影との違い
コンソリデーションは日本語で「浸潤影」と訳されることが多いですが、厳密には同じ意味ではありません。コンソリデーションには、浸潤性の病変だけでなく器質化や線維化による病変も含まれるからです。
コンソリデーションを日本語で表すと?
しばしば浸潤影(しんじゅんえい)という用語が用いられますが、厳密には、コンソリデーション=浸潤影ではありません。
ほかに、
- 均等影(きんとうえい)
- 融合影(ゆうごうえい)
という用語が用いられることもありますが、いずれもコンソリデーションとイコールではありません。

コンソリデーションには、器質化や線維化といった浸潤性の病変以外のものも含まれているため1)です。
また、浸潤影は胸部レントゲンで用いられることが多い用語で、CTではコンソリデーションという言葉が用いられることが多いです。実際の現場ではコンソリデーション≒浸潤影として使われているので、「厳密には違う」ことを念頭に置いて使うのがよいでしょう。
すりガラス影の代表的な2つのしくみ: 肺胞の壁が厚いか、液体が少したまるか
代表的なしくみは2つで、肺胞の壁(隔壁)が厚くなる場合と、肺胞の中に液体がたまるが水浸しまではいかない場合です。このほか、肺胞が部分的につぶれる場合や、毛細血管の血液量が増える場合にも生じます(Hansell 2008)。まったく違う病態でも同じすりガラス影に見えるので、すりガラス影だけでは病態を決められません。


1つは肺胞隔壁が厚くなっている状態です。狭義間質の病変とも言われ、間質性肺炎など線維化病変で見られます。
もう1つは肺胞内に液体がたまるけれども、水浸し状態とまではいかない状態です(水浸しになるとコンソリデーションになります)。肺炎などで見られます。
つまり、
- 肺胞隔壁の肥厚
- 肺胞内液体貯留
という全く違う病態なのに、画像では同じようなすりガラス影に見えます。すりガラス影だけを見て病態は決められず、周りの肺構造や臨床所見と合わせて判断します。
なお、限局した結節状のすりガラス影(pure GGN)では肺腺癌とその前駆病変が問題になります。径15mmを超えて結節状のものや、吸収値が高い(-472HU超)ものは浸潤性腺癌である可能性が高いと報告されています(Lee 2014)。
すりガラス影の鑑別診断: 一緒にある影で分ける
すりガラス影を見たら、①すりガラス影だけか ②均等影(コンソリデーション)が混ざるか ③網状影が混ざるか、の3つに分けて考えます2)。網状影が混ざるときは、網目が規則正しいか、線維化による不規則なものかでさらに分けます。

すりガラス影のみの場合
多くは急性病変で、
- 肺炎
- 肺水腫
- 肺出血
- ニューモシスチス肺炎
- 薬剤性肺炎
などが鑑別に挙がります。
慢性の経過では、
- 肺胞蛋白症
- 呼吸細気管支炎を伴う間質性肺疾患(RB-ILD:respiratory bronchiolitis-interstitial lung disease)
などが鑑別に挙がります2)。
すりガラス影+均等影の場合
均等影の周りにすりガラス影を認めるパターンが多く、
などが鑑別に挙がります2)。
すりガラス影+網状影の場合
網状影とは、無数の細かな線状影により形成される網目状の陰影のことです。網状影が
- crazy-paving appearanceのような規則正しい配列をした網目
- 線維化による不均一な網状影
のどちらかで、さらに分けます。
規則正しい配列の場合、
- 肺水腫
- 肺出血
- ARDS
- 薬剤性肺炎
- ニューモシスチス肺炎
- 浸潤性粘液性腺癌(旧称: 粘液型肺腺癌)
- 肺炎
などが鑑別に挙がります。crazy-paving の意味と原因疾患はcrazy-paving pattern(クレイジーペービング)とはで症例と合わせて見られます。
不規則な場合は、
- 間質性肺炎
の可能性が高くなります。間質性肺炎の中でも、1つの二次小葉内で陰影が均一か不均一かでさらに分けます。
均一な場合は、
- 特発性NSIP
- 膠原病に伴う間質性肺炎
- 剥離性間質性肺炎(DIP:desquamative interstitial pneumonia)
- リンパ球性間質性肺炎(LIP:lymphoid interstitial pneumonia)
などが鑑別に挙がり、
不均一な場合は、
が鑑別に挙がります2)。特発性間質性肺炎の名前と分類は、ATS/ERSの2013年の分類に合わせています(Travis 2013)。

肺炎の画像でコンソリデーションとすりガラス影をどう使う?
コンソリデーションやすりガラス影があるだけで肺炎とは言えず、原因菌も決められません。ただ、ウイルス性など非定型肺炎ではすりガラス影が主体のことが多く、手がかりにはなります。

よくある勘違い
Q. 肺が真っ白なら、全部コンソリデーション?
いいえ。肺の容積が減って葉間裂などが引き寄せられていれば無気肺です。コンソリデーションは原則として容積が減りません。
Q. すりガラス影は「軽いコンソリデーション」?
濃さだけの違いではありません。肺胞の壁が厚くなっても、肺胞に液体が少したまっても、すりガラス影になります。中で起きていることはCTの1枚では決められません。
Q. コンソリデーションと浸潤影は、まったく同じ意味?
現場ではほぼ同じ意味で使われますが、厳密には違います。コンソリデーションには器質化や線維化による病変も含まれます。浸潤影は主に胸部X線で使う言葉です。
今日のまとめ
- 白い影の中に血管が見えなければコンソリデーション、見えればすりガラス影。肺野条件の薄いスライスで確かめる。
- コンソリデーションは肺胞を何が満たしたか(膿・水・血液・細胞・蛋白)と急性か慢性かで考える。容積が減れば無気肺。
- すりガラス影は一緒にある影(均等影・網状影)で鑑別を絞る。
参考書籍:
1)胸部のCT 第3版(MEDSI) P411
2)放射線科研修医の胸腹部画像診断must know 2017年 10 月号 [雑誌]: 臨床画像 増刊 P32-36
参考文献
- Hansell DM, Bankier AA, MacMahon H, et al. Fleischner Society: glossary of terms for thoracic imaging. Radiology. 2008;246(3):697-722. PubMed
- Bankier AA, MacMahon H, Colby T, et al. Fleischner Society: Glossary of Terms for Thoracic Imaging. Radiology. 2024;310(2):e232558. PubMed
- Travis WD, Costabel U, Hansell DM, et al. An official American Thoracic Society/European Respiratory Society statement: Update of the international multidisciplinary classification of the idiopathic interstitial pneumonias. Am J Respir Crit Care Med. 2013;188(6):733-48. PubMed
- Lee HY, Choi YL, Lee KS, et al. Pure ground-glass opacity neoplastic lung nodules: histopathology, imaging, and management. AJR Am J Roentgenol. 2014;202(3):W224-33. PubMed
- Miller WT, Shah RM. Isolated diffuse ground-glass opacity in thoracic CT: causes and clinical presentations. AJR Am J Roentgenol. 2005;184(2):613-22. PubMed
- Kjeldsberg KM, Oh K, Murray KA, et al. Radiographic approach to multifocal consolidation. Semin Ultrasound CT MR. 2002;23(4):288-301. PubMed
- Park CM, Goo JM, Lee HJ, et al. Nodular ground-glass opacity at thin-section CT: histologic correlation and evaluation of change at follow-up. Radiographics. 2007;27(2):391-408. PubMed
- Gasparetto EL, Escuissato DL, Davaus T, et al. Reversed halo sign in pulmonary paracoccidioidomycosis. AJR Am J Roentgenol. 2005;184(6):1932-4. PubMed
- Marchiori E, Zanetti G, Meirelles GS, et al. The reversed halo sign on high-resolution CT in infectious and noninfectious pulmonary diseases. AJR Am J Roentgenol. 2011;197(1):W69-75. PubMed
- Marchiori E, Zanetti G, Irion KL, et al. Reversed halo sign in active pulmonary tuberculosis: criteria for differentiation from cryptogenic organizing pneumonia. AJR Am J Roentgenol. 2011;197(6):1324-7. PubMed
症例画像は各図の引用元のとおりです。
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