DIP(剥離性間質性肺炎)/RB-ILD(呼吸細気管支炎関連間質性肺疾患)とは?
- RB-ILDとDIPはマクロファージ集積病変のスペクトラム上にある一連の病変である。広がりや分布が異なる。
- 臨床的な表現型、画像所見、治療反応性は異なる。
▶両者の違いの重要点は、
- DIPは喫煙者は90%程度。RB-ILDは100%喫煙者。
- ばち指などの全身症状を伴うのがDIP。
- 予後がより良好なのはRB-ILD(10年生存率100%近く)。DIPは10年生存率70%程度。
DIPの画像所見
- 両肺胸膜直下優位の非区域性すりガラス影。
- しばしば、すりガラス影内部に小嚢胞状変化&気腫化あり。わずかに牽引性気管支拡張、稀に蜂巣肺。
- 均質だがムラのあるすりガラス影。(間質性肺炎だけど陰影の主体は肺胞性)
- 正常部との境界は不明瞭。(マクロファージにより境されているため)
※マクロファージは可動性であり、減るとすりガラス影が減弱する。つまり、時間が経つと以前はDIPと診断されていた同じところの組織も、non-DIPになることがある。UIPと異なり、陰影が良くなることがあるので注意。
RB-ILD
- ほぼ100%喫煙者。似たような陰影でnon-smokerならばRB-ILDではない。
- 画像とBAL所見で診断可(HPを除外
- 経過は様々:軽い場合は禁煙で消退傾向、禁煙しても進行するのはごく少数。
RB-ILDの画像所見
- 両肺上肺野優位の小葉中心性粒状影。その周囲に、不均一な斑状すりガラス影。なので柔らかい小葉中心性。HPと似ている。
- 時に軽度の気管支壁肥厚。
- しばしば小葉中心性肺気腫の合併。線状網状影は軽度。
- CT正常例もあり。(組織のみ)