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腹部石灰化の鑑別診断

  • 腹部リンパ節
  • 腹膜ねずみ
  • 虫垂結石、腸管内結石(胃石など)
  • 胆石
  • 膵石
  • 腫瘍内石灰化
  • その他

に分けてみていく。

腹部リンパ節

・非腫瘍性→結核性リンパ節炎が最多。

・腫瘍性:神経由来の腫瘍、Castlemanリンパ腫など。

結核性リンパ節炎を生じやすい部位

膵周囲腸間膜のリンパ節に好発する。小腸や回盲部からのリンパ流が関与している。

・具体的に:
結核は呼吸器感染として初発
→気道から喀出された痰を嚥下
→消化管へ
→回盲部から右半結腸に多発する潰瘍性病変を来す。
腸間膜の所属リンパ節に波及
→リンパ流はSMAに沿って門脈に向かい
→膵頭部から総胆管周囲の肝十二指腸間膜に沿ったリンパ節に流入。

・腸間膜内のリンパ節は通常、直径1cmまで。比較的小さな石灰化の多発として認められる。

・時に、後腹膜のリンパ節を伴う。また、肝や脾の実質内にも石灰化を伴うことあり。

腹膜垂と腹膜鼠(ねずみ)

・結腸には3本の結腸ひもがあり、自由ひもと大綱ひもに沿って脂肪構造を主体とする腹膜側への突起があり、腹膜垂(appendix epiploica)とよばれる。

・腹膜垂が遊離して腹膜腔に脱落したものが腹腔ねずみ(peritoneal mouse)

・腹膜遊離体(loose body)、腹膜石、腹腔内遊離体、intraperitoneal loose body、peritoneal loose body、intraabdominal free body、peal bodyなどと呼ばれる。

・名前のように、ネズミのように腹腔内をちょこちょこ移動する。

・脂肪成分だが、石灰化の頻度も高く、辺縁は平滑で、石灰化は辺縁優位に生じる。

 腸管内結石

・糞石の1つである虫垂結石は、虫垂炎を引き起こす最大の原因。

・虫垂炎における虫垂結石の合併症は小児では60%程度。ただし、結石があれば虫垂炎と診断できるわけではない。

・他に、腸管内に生じる結石としては、胃石であり、胃液で消化されない毛髪がボール状に胃の中で固まったものである。

・胃切除後の吻合部狭窄の場合に胃石ができやすい。

胆石

鑑別すべきもの

・細かな石灰化=胆砂。

造影剤が沈殿しているように見える石灰化胆汁(milk of calcium)

胆石の合併症

・胆石が大きくなると、炎症を起こして、隣接する腸管、主に十二指腸に穿破することがある。胆嚢十二指腸瘻という。

・この際に胆石が大きいと小腸内で腸閉塞となり、これが胆石イレウスである。

その他

・胆嚢壁に石灰化=陶磁器胆嚢

膵石

慢性膵炎の診断に重要。膵実質の石灰化ではなく、膵管内の結石のことなので注意。

・膵液の流れを妨げることが膵炎の原因となる。通常5mm以下が多い。

・拡張した膵管分枝に沿って結石が形成され、いびつな、あるいは、樹枝状の構造となる。腹部を横走する膵の形態に一致した分布は特徴的。

・膵頭部のみに限局する事がある。

・副甲状腺機能亢進症で多発することあり。

・脾動脈の石灰化を膵石としないこと。管状構造を反映し、2本の平行線あるいは動脈瘤であれば、球状の輪郭の石灰化となるので、鑑別は容易。

腫瘍内石灰化

平滑筋腫、平滑筋肉腫:腫瘍の中心部に石灰化あり。比較的結節状の粗大な石灰化。

スキルス胃癌:粗大な砂粒状石灰化がびまん性に浸潤傾向の強い腫瘤に一致して見られる。

粘液成分の豊富な大腸癌:肝転移にも石灰化。

・solid pseudopapillary tumor(SPT,SPN):若い女性で膵。1/3症例で石灰化。

非機能性膵島細胞腫瘍、castlemanリンパ腫:20-30%に石灰化。

腸間膜発生カルチノイド:70%以上に石灰化。

その他

・肝、脾臓、膵などの臓器に生じた嚢胞壁に石灰化が生じることがある。これは出血などが原因になっている可能性あり。

・肝の石灰化:日本住血吸虫症、肝吸虫、エキノコッカス

消化管壁の石灰化:静脈硬化症の大腸炎腹膜透析例の硬化性腹膜炎

参考)臨床画像2010年9月 消化器 聖路加国際病院 齋田幸久先生

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