結核性リンパ節炎とは?
- 初期変化群である肺および肺門リンパ節の病変が縦隔に進展したもの。
- 小児に多いが近年は成人にも多い。
- 症状は発熱、咳嗽、胸痛、頚部リンパ節腫大など。無症状のこともある。
- 結核菌培養やPCR、QFT-2G検査で診断を行うが生検が必要となることもある。
- 治療は、抗結核薬による多剤併用療法。縮小が見られない場合は外科的手術となることもある。
結核性リンパ節炎の画像所見
- 腫大リンパ節はリング状の造影効果を認め、乾酪壊死巣である中心部は低吸収域となる。
- リンパ節周囲の滲出性変化に乏しく、リンパ節の癒合傾向は乏しい。
- 慢性に経過すると造影効果を認めず、サイズは縮小し石灰化を有するようになる。
- 好発部位は、右気管気管支リンパ節、右気管傍リンパ節。
※右側に好発する理由は、右肺・左下葉のリンパ流は右縦隔のリンパ節に注ぐためと考えられている。 - 鎖骨上窩から、腋窩や頚部、腹部リンパ節にもおよぶ場合がある。
- サルコイドーシス、悪性リンパ腫、非感染性リンパ節病変、リンパ節転移などが鑑別に挙がる。
症例 60歳代女性 右頚部痛
右鎖骨上窩に内部に壊死を伴い、辺縁に造影効果を有するリンパ節腫大をみとめています。
縦隔にも小さなリンパ節が散見されます。一部で内部に壊死を疑う低吸収域を認めているように見えます。
右鎖骨下リンパ節生検が行われ、TB-PCR陽性、QFTも陽性となり、結核性リンパ節炎と診断され、加療されました。
参考:
困ったときの胸部の画像診断 P192-193
基本をおさえる!胸部画像 P42-43