癌性リンパ管症(lymphangitis carcinomatosa)
- 肺のリンパ系に腫瘍が増殖した状態。
- 肺末梢の血行性肺転移が、末梢の間質、リンパ管を浸潤し、リンパ行性に肺門へと進展する。
- 病理学的にはリンパ管内における腫瘍増殖。
- リンパ管閉塞による肺水腫、肺胞への腫瘍の進展、血管浸潤による出血を合併することあり。
- 呼吸困難、乾性咳嗽など呼吸器症状が出現。
- 進展がはやく予後不良。約50%は発症3ヶ月以内に死亡。
- 胃癌、乳癌、膵癌、前立腺癌、肺癌(腺癌、小細胞癌) で多い。(腺癌がほとんど)
癌性リンパ管症の画像所見
- リンパ路である広義間質が厚くなる。粒状影や数珠状に肥厚することあり。
- かかえこんでいる肺胞の壁は厚くならない。
- 亀甲状あるいはpolygonal structureと呼ばれる多角形の小葉間隔壁の肥厚。小葉中心性粒状影(central dot)。
- 腫瘍の進展に伴うリンパ管閉塞や肺胞出血はすりガラス影として認める。
- 肺のdistortion(ねじれ)なし。
- 約50%は片側性、左右非対称性。
- 肺門/縦隔リンパ節腫大(20-40%)、胸水(30-50%)が見られることが多い。
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症例 50歳代女性 乳がん術後。
癌性リンパ管症の前後の同じレベルでのCT画像です。
小葉間隔壁・気管支血管束の肥厚を認めています。
癌性リンパ管症のCT画像所見です。
このCT画像を確認する。→癌性リンパ管症のCT画像所見
多発骨転移もあり。(非提示)