CT halo signとは?
CT halo signとは?
充実性の結節の辺縁をすりガラス影がリング状に取り囲む胸部CT所見。
・侵襲性アスペルギルス症の早期所見として有用なサインとして報告されたが、この疾患に特異的な所見ではなく、さまざまな疾患においても見られる。
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すりガラス影の原因から分類
すりガラス影の原因には、出血、腫瘍細胞浸潤、炎症細胞浸潤が挙げられる。
出血が原因となりCT halo signを呈するもの
感染症
- 侵襲性アスペルギルス症
- ムコール症
- カンジダ症
- 敗血症性塞栓症
非感染症
- 多発血管炎性肉芽腫症
- 転移性肺腫瘍(血管肉腫、カポジ肉腫、絨毛がん)
腫瘍細胞浸潤を伴いCT halo signを呈するもの
- lepidic growthを有する腺癌や膵癌などの転移
- 悪性リンパ腫
関連記事)lepidic patternについて
炎症細胞浸潤により、CT halo signを呈するもの
参考)大城康二先生ほか、臨床画像2015年9月 孤立性結節影 1036-1038
感染症が原因のCT halo signか否かで分類
感染症によりCT halo signを伴うもの
- 真菌症(アスペルギルス症、ムコール、クリプトコッカス)
- 抗酸菌症(結核、非結核性抗酸菌症)
- 寄生虫
- リケッチア
- ウイルス(帯状疱疹ウイルス、水痘ウイルス、サイトメガロウイルス、ミクソウイルス)
- 敗血症性塞栓症
症例 敗血症性肺塞栓症例
非感染性によりCT halo signを伴うもの
腫瘍性
- 原発性肺腫瘍(扁平上皮癌、Kaposi肉腫、腺癌)
- 転移性(血管肉腫、絨毛がん、骨肉腫、悪性黒色腫、胞状奇胎、消化器癌)
- リンパ増殖性疾患
- 硬化性血管腫
炎症性あるいはその他
- 多発血管炎性肉芽腫症
- 好酸球性肺病変(好酸球性肺炎、好酸球増多症候群)
- 肺子宮内膜症
- 気質化肺炎
- 過敏性肺炎
- 医原性肺損傷
参考)狩野麻実先生ら、画像診断 vol.33 No.12 2013:P1321-1323