CTとMRIって何が違うんですか?どっちがいい検査なの?
どちらが上ということはなくて、得意なものが違います。急ぎのときや骨・出血・肺はCT、脳や関節・子宮などを細かく見たいときはMRI、というように使い分けているんですよ。
先に結論:CTとMRIの違い
| CT | MRI | |
|---|---|---|
| 撮り方 | X線 | 磁気と電波 |
| 検査時間 | 数分(撮影は数秒〜数十秒) | 15〜45分ほど |
| 被ばく | あり(1回約2〜15mSv) | なし |
| 音・狭さ | 静か・輪が短い | 大きな音・筒の中で長くじっとする |
| 得意 | 骨・出血・肺・おなか全体・救急 | 脳(早い時期の脳梗塞)・脊髄・椎間板・関節/靱帯・子宮/卵巣・前立腺・肝臓の腫瘍 |
| 金属 | ほぼ問題なし | ペースメーカー・体内金属・入れ墨などに注意 |
| 費用(3割) | 約4,500円前後〜 | 約6,000〜7,000円前後〜 |
同じ高さの頭をCTとMRIで比べると

左がCT、右がMRI(T2強調像)です。CTは骨(頭蓋骨)が白くはっきり写り、出血も白く写るので見つけやすいのが特徴です。MRIは脳の灰白質と白質の違いや、細かい構造がよく見えます。
CTが向いているとき
- 急ぐとき:頭を打った、強い腹痛、事故など。数分で全身を撮れます
- 出血:脳出血・くも膜下出血はCTでよくわかります
- 骨:骨折や骨の形
- 肺:肺炎・肺がん・肺気腫など(MRIは肺が苦手)
- おなか全体:腸閉塞・虫垂炎・結石など
- 造影剤を使うと血管や臓器の血流も評価できます(ダイナミックCT検査とは?造影CTとの違いは?)
MRIが向いているとき
- 早い時期の脳梗塞:発症してすぐの脳梗塞はCTでは写らないことがあり、MRI(拡散強調像)で見つかります。脳卒中が疑われた356人をCTとMRIの両方で調べた研究では、急性期の脳梗塞が見つかったのはMRIで46%、CTで10%でした(発症3時間以内では46%と7%)。一方、急性期の脳出血を見つける力はCTとMRIで同程度でした
- 脊髄・椎間板:椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症
- 関節・靱帯:膝の半月板・十字靱帯、肩の腱板
- 女性・男性の骨盤:子宮筋腫、卵巣のう腫、前立腺がん
- 肝臓・胆管・膵臓:腫瘍の性質、胆管(MRCP)
- 被ばくがないので、子どもや、くり返し検査が必要なときにも選ばれます
じゃあ、全部MRIで撮ればいいのでは?
MRIは時間がかかるので、具合の悪い人や息止め・じっとするのが難しい人には向きません。肺や骨折、出血もCTのほうが得意なので、目的に合わせて選ぶのがいちばんです。
MRIを受ける前の注意点
- 心臓ペースメーカー・植込み型除細動器:MRI対応の機種なら条件付きで撮れることがありますが、必ず事前に申告
- 体内の金属:脳動脈瘤のクリップ、人工内耳、古い金属などは撮れないことがあります。手術歴は必ず伝えてください(人工関節やステントの多くは撮影可能)
- 入れ墨・アートメイク:インクの金属成分で、やけどすることがあります
- 身につけるもの:ヘアピン・アクセサリー・カイロ・湿布や貼り薬の一部・カラーコンタクト・磁気カード・補聴器ははずします
- 閉所が苦手な方:事前に伝えると、目隠しや声かけ、短い撮影の工夫をしてもらえることがあります
- 妊娠初期:必要な場合は撮影できますが、事前に伝えましょう
CTを受ける前の注意点
- 妊娠の可能性:おなかのCTは特に、必ず申告(被ばくの目安は 「レントゲン・CTの被ばく量の記事」)
- 造影剤を使う場合:ぜんそく・アレルギー・腎臓の病気・糖尿病の薬(メトホルミン)は事前に伝える(造影剤アレルギー(ヨード造影剤の副作用)の対応まとめ)
- 腹部の検査:数時間前から絶食の指示があります(腹部CT前の絶食はなぜ必要?)
PET検査はどう違うの?
CTやMRIが「形」を見るのに対して、PETは「糖をどれだけ使っているか(はたらき)」を見る検査です。がんの転移や再発を全身で調べるときに使います。くわしくは 「PET-CT検査とは」 をご覧ください。
まとめ
- CTはX線で数分、MRIは磁気で15〜45分。MRIは被ばくなし
- 急ぎ・骨・出血・肺・おなか全体はCT
- 早い脳梗塞・脊髄/椎間板・関節・骨盤・肝胆膵の詳しい評価はMRI
- MRIは体内金属・ペースメーカー・入れ墨を必ず申告
※費用は撮影料と診断料の3割負担の目安(造影・部位・施設・診察料などで変わります)。画像:画像診断cafe(正常例)。
▶ ほかの所見も調べる:健診・人間ドックの画像検査で言われやすい所見一覧
参考文献
- Mettler FA, Huda W, Yoshizumi TT, et al. Effective doses in radiology and diagnostic nuclear medicine: a catalog. Radiology. 2008;248(1):254-263. PubMed
- Kanal E, Barkovich AJ, Bell C, et al. ACR guidance document on MR safe practices: 2013. J Magn Reson Imaging. 2013;37(3):501-530. PubMed
- Chalela JA, Kidwell CS, Nentwich LM, et al. Magnetic resonance imaging and computed tomography in emergency assessment of patients with suspected acute stroke: a prospective comparison. Lancet. 2007;369(9558):293-8. PubMed
- Expert Panel on MR Safety, Kanal E, Greenberg TD, et al. ACR guidance document on MR safe practices: Updates and critical information 2019. J Magn Reson Imaging. 2020;51(2):331-338. PubMed
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