腫瘍内に脂肪(脂質)を伴うことがある肝腫瘍の鑑別診断
- 肝細胞癌
- 肝細胞腺腫
- 限局性結節性過形成(稀)
- 肝転移(脂肪肉腫、淡明胞型腎細胞癌、副腎皮質癌、神経内分泌腫瘍、卵巣ステロイド細胞腫瘍、孤立性線維性腫瘍など)
- 限局性脂肪肝
- 血管筋脂肪腫
- 脂肪腫
- 脂肪肉腫
- adrenal rest tumor
- 奇形腫
- 包虫嚢胞
- 腹腔内遊離体(腹膜ネズミ)
- その他、治療後変化としてラジオ波焼灼部位や、化学療法後の大腸癌肝転移でも脂質沈着が報告されている。
症例 60歳代女性 USで偶発的に肝腫瘤が見つかる。
背景肝は正常肝(非肝硬変)。
肝S8に早期濃染され、平衡相でwashoutを認めている腫瘤を認めています。
T1WI in-phase→opposed-phaseで肝S8に信号低下を認め脂肪の存在が示唆されます。
DWIでは優位な高信号やADC低値を認めませんでした。
引用:radiopedia
肝細胞腺腫/肝腺腫(HCA:hepatocellular adenoma,hepatic adenoma)と診断されました。
参考文献:画像診断 Vol.43 No.13 2023 P1258