足首(足関節)の靱帯は、外側に3本(前距腓・踵腓・後距腓)、脛骨と腓骨の間に2本(前脛腓・後脛腓)、内側に三角靱帯、そして足の真ん中寄りに二分靱帯と跳躍靱帯があります。どれも小さく、斜めに走るため、MRIでは「どの断面の、どの高さで探すか」を知っているかどうかで見つけやすさが大きく変わります。

この記事では、画像診断cafeの正常な足関節MRI(横断・冠状断・矢状断)に色を付けて、7つの靱帯それぞれの場所と見つけ方を一覧で解説します。1つずつの靱帯の損傷の詳しい見方は、前距腓靱帯(ATFL)とは?と三角靱帯(足首の内側側副靱帯)とはどこ?、3方向の画像をタップして確かめる方法は足関節MRIの正常解剖ツール(3方向)で扱っています。

先に結論:足首の靱帯を探す断面と高さ

  1. 前脛腓靱帯・後脛腓靱帯:横断で、距骨の天井より少し上(脛骨と腓骨が並ぶ高さ)。脛骨と腓骨の前と後ろをつなぎます
  2. 前距腓靱帯:横断で、外果の内側にくぼみ(果窩)が見える高さ。外果の前から距骨の首へ、前内側に向かう細い帯です
  3. 後距腓靱帯:前距腓靱帯と同じ高さの横断で、外果の果窩から距骨の後ろへ扇形に広がります
  4. 踵腓靱帯:冠状断で外果の先から下へ、腓骨筋腱のすぐ内側を通って踵骨の外側へ付きます
  5. 三角靱帯:冠状断で内果の下に広がる扇形。浅い層と深い層があります
  6. 二分靱帯・跳躍靱帯:矢状断が見やすく、二分靱帯は踵骨の前の突起の上、跳躍靱帯は距骨の頭の下で踵骨と舟状骨をつなぎます

足首の靱帯はどこにある?(ひとことで)

足首の関節(距腿関節)は、脛骨と腓骨がつくる「ほぞ穴」に距骨がはまるしくみです。脛骨と腓骨を束ねるのが脛腓靱帯(遠位脛腓靱帯結合)、腓骨の下端(外果)と距骨・踵骨をつなぐのが外側靱帯(前距腓・踵腓・後距腓)、脛骨の下端(内果)と距骨・踵骨・舟状骨をつなぐのが三角靱帯です。

さらに足の真ん中寄り(ショパール関節のあたり)には、踵骨と舟状骨・立方骨をつなぐ二分靱帯、距骨の頭を下から支える跳躍靱帯(底側踵舟靱帯)があります(Walter 2019)。

前脛腓靱帯・後脛腓靱帯:脛骨と腓骨をつなぐ

足関節MRI 横断 前脛腓靱帯 後脛腓靱帯 腓骨 脛腓関節
距骨の天井より少し上、脛骨と腓骨が並ぶ高さの横断です。画面の左が外側で、茶色の腓骨と脛骨の前を水色の前脛腓靱帯が、後ろを紫の後脛腓靱帯がつないでいます。
画像:画像診断cafe(正常例)

探し方:横断で、腓骨が脛骨の外側のくぼみ(腓骨切痕)にはまっている高さを探します。この高さでは腓骨の断面は丸いか楕円形で、内側にくぼみはありません。脛骨と腓骨の前をつなぐ斜めの帯が前脛腓靱帯、後ろをつなぐ帯が後脛腓靱帯です。

前脛腓靱帯は斜め下へ走るため、横断では1枚で全体が見えず、何本かの線維の束が縞状に見えることがよくあります。途切れて見えても、上下のスライスをつなげて確認します。後脛腓靱帯は前より太くしっかりしています。

脛腓靱帯の損傷は、足首を外へひねった(外旋)ときに起こりやすく、いわゆる「高位足関節捻挫」と呼ばれます。手術後の評価も含めた解剖と画像の見方はSilvaら(2026)がまとめています。

前距腓靱帯・後距腓靱帯:外果のくぼみの高さ

足関節MRI 横断 前距腓靱帯 後距腓靱帯 外果 三角靱帯 距骨
脛腓靱帯より下、外果(茶色)と距骨(灰色)が並ぶ高さの横断です。オレンジの前距腓靱帯が外果の前から距骨の前へ、黄色の後距腓靱帯が外果の内側から距骨の後ろへ広がります。右(内側)の緑は三角靱帯です。
画像:画像診断cafe(正常例)

探し方:横断で脛腓靱帯の高さから下へ進み、外果の内側にくぼみ(果窩、malleolar fossa)が見えたら、そこが前距腓靱帯と後距腓靱帯の高さです。脛腓靱帯の高さでは腓骨が丸く、距腓靱帯の高さでは外果の内側がくぼむ、という違いで見分けます。

前距腓靱帯(ATFL)は、外果の前の縁から前内側へ、距骨の首(距骨頸部)へ向かう細くまっすぐな黒い帯です。足首の捻挫(内がえし捻挫)でいちばん傷みやすい靱帯で、外側靱帯の損傷はまずここから起こると説明されます(前距腓靱帯(ATFL)とは?)。

後距腓靱帯(PTFL)は、外果の果窩から距骨の後ろの外側の突起へ、ほぼ水平に扇形に広がる太い靱帯です。中に脂肪が混じって縞模様に見えるのが正常で、損傷と間違えないようにします。3本の外側靱帯の中では、もっとも傷みにくい靱帯です。

踵腓靱帯:冠状断で腓骨筋腱の内側を探す

足関節MRI 冠状断 踵腓靱帯 後距腓靱帯 外果 短腓骨筋腱 踵骨
足首を正面から見た冠状断です。画面の左が外側で、外果(茶色)の先から緑青色の踵腓靱帯が下へ向かい、踵骨(灰色)の外側に付きます。黄色は後距腓靱帯、オレンジは短腓骨筋腱です。
画像:画像診断cafe(正常例)

探し方:踵腓靱帯(CFL)は、外果の先から後下方へ、踵骨の外側の面へ向かう細い靱帯です。斜めに走るため、横断では小さな点や短い線にしか見えないことが多く、冠状断の方が見つけやすい靱帯です。

目印は腓骨筋腱です。踵腓靱帯は腓骨筋腱(短腓骨筋腱・長腓骨筋腱)のすぐ内側(深い側)を通り、腱と踵骨の間にはさまれるように走ります。冠状断で腓骨筋腱を見つけ、その内側の、外果の先と踵骨をつなぐ細い黒い帯を探します。

踵腓靱帯は、前距腓靱帯に続いて傷むことが多い靱帯です。前距腓靱帯と踵腓靱帯の両方が切れると足首が不安定になりやすいため、前距腓靱帯の損傷を見たら踵腓靱帯も確認します。踵腓靱帯が傷むと、すぐ外側の腓骨筋腱の腱鞘に液体がたまることがあり、これも手がかりになります。

三角靱帯:冠状断で内果の下に広がる扇

足関節MRI 冠状断 三角靱帯 前距腓靱帯 距骨
冠状断で、距骨(灰色)の右(内側)に緑の三角靱帯、左(外側)にオレンジの前距腓靱帯が見えます。三角靱帯は内果の下から距骨と踵骨へ扇形に広がります。
画像:画像診断cafe(正常例)

探し方:三角靱帯は足首の内側の靱帯で、内果から下へ扇形に広がるため、冠状断がもっとも見やすい断面です。

三角靱帯は深い層と浅い層に分かれます。深い層(前・後脛距靱帯)は内果と距骨を短くつなぐ太い部分で、特に後脛距靱帯は脂肪が混じって縞模様に見えるのが正常です。浅い層は、内果から舟状骨・跳躍靱帯・踵骨(載距突起)へ広く付きます(Gopinath 2022)。

三角靱帯は、外側の靱帯より強く、単独で切れることは少ない靱帯です。外果の骨折や脛腓靱帯の損傷と一緒に傷むことが多いため、外側の損傷を見たら内側も確認します。詳しくは三角靱帯とはどこ?三角靱帯損傷のMRI画像所見で解説しています。

二分靱帯:踵骨の前の突起の上

足関節MRI 矢状断 二分靱帯 踵骨 立方骨 距骨
足を外側寄りで縦に切った矢状断です。水色の二分靱帯が、踵骨(灰色)の前の突起の上から前へ伸びています。その前下が立方骨(茶色)です。
画像:画像診断cafe(正常例)

探し方:二分靱帯は、踵骨の前の突起(前方突起)の上から始まり、舟状骨へ向かう部分(踵舟部)と立方骨へ向かう部分(踵立方部)のY字形に分かれる靱帯です。矢状断で、距骨の頭の外側、踵骨の前方突起の上にある短い黒い帯として見えます。横断では、足根洞の前の方で踵骨から前へ伸びる細い線として見えます。

足を内側へひねる捻挫では、前距腓靱帯だけでなく二分靱帯も傷むことがあり、踵骨の前方突起が引きちぎられるように折れる骨折(踵骨前方突起骨折)の原因になります。レントゲンでは見逃しやすい場所なので、外側の捻挫で痛みが前の方に強いときはこの場所を確認します(見逃しやすい骨折まとめ)。

跳躍靱帯(底側踵舟靱帯):距骨の頭を下から支える

足関節MRI 矢状断 跳躍靱帯 底側踵舟靱帯 舟状骨 距骨 踵骨
足の内側寄りの矢状断です。黄色の跳躍靱帯が、踵骨(灰色)の前の下から舟状骨(茶色)の下へ渡り、距骨の頭を下から受け止めています。
画像:画像診断cafe(正常例)

探し方:跳躍靱帯(スプリング靱帯)は、踵骨の載距突起から舟状骨の下へ張る靱帯で、正式には底側踵舟靱帯といいます。距骨の頭のすぐ下にあり、距骨の頭を下からハンモックのように支えて、足の内側の縦のアーチ(土踏まず)を保っています。矢状断で距骨の頭の下、横断で距骨の頭の内側下を探します。

跳躍靱帯は、内側の上の部分(上内側部)と下の部分に分かれ、上内側部は三角靱帯の浅い層や後脛骨筋腱と接しています。そのため、後脛骨筋腱の機能不全による扁平足では、跳躍靱帯も一緒に傷んでいることがよくあります(Walter 2019)。

7つの靱帯を見る断面のまとめ

  • 横断で見る:前脛腓靱帯・後脛腓靱帯(腓骨が丸い高さ)、前距腓靱帯・後距腓靱帯(外果の内側がくぼむ高さ)
  • 冠状断で見る:踵腓靱帯(腓骨筋腱の内側)、三角靱帯(内果の下の扇)、後距腓靱帯
  • 矢状断で見る:二分靱帯(踵骨の前方突起の上)、跳躍靱帯(距骨の頭の下)

1つの断面だけで判断せず、ほかの断面でも同じ靱帯を探すのが見落としを減らすコツです。

画像で問題になる病気

画像診断cafeで自分で確かめる

この記事の画像は、正常なMRIをタップすると解剖名がわかる無料ツール「画像診断cafe」から作りました。足関節MRI横断・冠状断・矢状断の正常解剖では、スライスを動かしながら、それぞれの靱帯がどの高さで現れて消えるかを色分けで確かめられます。腱の並びは横断で上から下へ追うとわかりやすくなります。

スマートフォンではアプリも使えます。iPhoneはApp Storeで「画像診断cafe」と検索してください。AndroidはGoogle Play(画像診断cafe)からインストールできます。アプリの紹介は画像診断cafeアプリを公開しましたにあります。

足首の靱帯でよくある疑問(Q&A)

Q. 前脛腓靱帯と前距腓靱帯はどうやって見分けますか?
A. 高さと付く骨で見分けます。前脛腓靱帯は距骨の天井より上で脛骨と腓骨をつなぎ、前距腓靱帯はそれより下で外果と距骨をつなぎます。横断では、腓骨の断面が丸い高さが前脛腓靱帯、外果の内側にくぼみが見える高さが前距腓靱帯の目安です。

Q. 踵腓靱帯が横断で見つからないのは異常ですか?
A. 異常とは限りません。踵腓靱帯は斜めに下へ走るため、横断では小さな点にしか見えないことがよくあります。冠状断で腓骨筋腱の内側を探すと見つけやすくなります。

Q. 後距腓靱帯や三角靱帯の縞模様は損傷ですか?
A. 正常でも、後距腓靱帯や三角靱帯の深い層(後脛距靱帯)は、線維の間に脂肪が入って縞模様に見えます。全体の太さが保たれ、途切れや強い浮腫がなければ正常と考えます。

参考文献

  1. Silva LNMD, Morimoto LR, Watanabe GG, et al. Distal Tibiofibular Syndesmosis: Anatomy, Biomechanics, Imaging Approach, and Postoperative Evaluation. Radiographics. 2026;46(2):e250065. PubMed
  2. Walter WR, Hirschmann A, Alaia EF, et al. Normal Anatomy and Traumatic Injury of the Midtarsal (Chopart) Joint Complex: An Imaging Primer. Radiographics. 2019;39(1):136-152. PubMed
  3. Gopinath R, Pigott M, Lindsey B, et al. Medial Ankle Instability: Review of Anatomy, Evaluation, and Treatment. Foot Ankle Spec. 2022;15(6):573-578. PubMed

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