上腓骨筋支帯損傷(Superior peroneal retinaculum injuries)
- 足首の上腓骨支帯に対する一連の急性および慢性損傷を指す。
- 外側足首の痛みと不安定性の原因の1つとなる。
- Odenの分類が知られている。
Odenの上腓骨筋支帯損傷の外科的分類
- Ⅰ型:上腓骨筋支帯が腓骨外果骨膜から剥がれ、腓骨筋腱が脱臼しているもの。
- Ⅱ型:上腓骨筋支帯が腓骨外果付着部近傍で断裂したもの
- Ⅲ型:腓骨外果後縁に裂離骨折を起こし、上腓骨筋支帯に付着するもの
- Ⅳ型:上腓骨筋支帯が外果付着部のより遠位で断裂するもの
上腓骨筋支帯損傷の画像所見
単純レントゲン写真
遠位腓骨剥離骨折が存在する場合、外果の外側に骨片が見られる。
MRI
- 横断像が有用。
- 腓骨筋腱を腓骨筋腱溝に固定させ脱臼を防ぐ役割を担うfibrous ridgeに着目する。それに連続する上腓骨筋支帯も確認。また長腓骨筋の脱臼の有無に着目する。
症例 正常例
正常例では、腓骨外果後外側に存在する低信号なfibrous ridgeを認め、そこに付着する上腓骨筋支帯を同定できる。
また、長腓骨筋腱、短腓骨筋腱を正常位置に同定できる。
症例 40歳代男性 捻挫後に続く外側足首の痛み
正常例と比較すると、上腓骨筋支帯が腓骨外果から剥離し、肥厚している。
剥離した部分に長腓骨筋が亜脱臼を起こし、その外側に剥離骨折を疑う低信号を認めている。
CTで剥離骨折を同定することができ、STIRDえは腓骨外果外側に骨髄浮腫を認めている。
上腓骨支帯損傷による腓骨筋腱脱臼と診断されました。
引用:radiopedia