免疫不全の肺炎のHRCTの適応・目的は?
- ニューモシスチス肺炎(PCP)の早期は単純X線では検出困難。
- 侵襲性アスペルギルス症の初期では、10-25%でXpは正常。
- HRCTはXpに比べて5日も早く肺炎を検出。
- 肺炎の検出率についてはHRCTがXpの6倍。HRCT上、陰影がなければ、肺炎はほぼ否定可能。
- 好中球減少者で不明熱ががあり、Xpで異常所見のない患者は積極的にHRCTを施行すべき。
- 気管支肺胞洗浄(BAL)、経気管支肺生検(TBLB)の施行部位の決定。
このように免疫不全患者にはCTを撮影する意義はより大きいですし、CT撮影が遅れることが命取りにもなります。
免疫能低下患者における胸部異常陰影の特徴
- Xp上、異常所見が認められない、あるいは非特異的な所見であることが多い。
- HRCTではすりガラス様高吸収域GGAの出現頻度が高い。
- 陰影の進展が急速である。
- 合併感染の可能性が最大20%。PCPとCMVの合併は高頻度(10%)。
免疫不全の種類と感染症
- 好中球減少:癌化学療法、造血幹細胞移植→細菌、真菌感染
- 細胞性免疫低下:HIV感染、造血器悪性腫瘍、ステロイド、免疫抑制剤、癌化学療法、臓器移植→細菌、真菌感染、結核、PCP、CMV肺炎
- 液性免疫低下:癌化学療法、脾摘→細菌感染
各論
- 薬剤性肺炎
- 細菌性肺炎
- 敗血症性肺塞栓
- ノカルジア症
- 肺真菌症(特にアスペルギルス症) semi-invasive aspergillosis、invasive pulmonary aspergillosis
- カンジダ症
- 白血病・悪性リンパ腫浸潤
- PCP肺炎
- CMV肺炎
- 肺結核、粟状結核
- 肺出血