肺胞性(大葉性)肺炎(airspace pneumonia)

  • 病原体が胸膜直下末梢の肺胞を障害
    →肺胞内に浮腫、滲出液>炎症細胞浸潤
    →側副路(Kohn孔やLambert管)を介して、隣接した肺胞領域に急速に波及

airspace pneumonia

  • 末梢肺胞領域に到達した病原体に対する生体の防御反応から、大量の滲出液が肺胞腔内に産生される。
  • 肺胞→小葉→亜区域→区域→葉とairspace cosolidation(周囲にGGOを伴う)が広がる。
  • 葉全体に広がるまでは、非区域性に進展。

airspace pneumonia1

気管支で境界される区域と関係なく(非区域性に)病変が広がる。

  • 起炎菌としては、古典的には、肺炎球菌肺炎桿菌(クレブシエラ)レジオネラ。若年者では、マイコプラズマでも肺胞性肺炎を来すことがある。特殊な形態として結核性肺炎
  • ただし、抗生物質の進歩により、この型の進展を示す肺炎を見る機会は減ってきた。(区域性→非区域へと変化することが少なくなってきた)

画像所見

  • 肺胞充満が密である病態を反映して、コンソリデーションが主体となる。
  • 周囲には肺胞充満が不十分な領域を反映して、すりガラス影(GGO)が混在する。
  • 区域を越えた進展(非区域性)が特徴的。
  • 気管支肺炎で見られるような小葉中心性の陰影は見られないことが多い。
症例 30歳代女性 舌区に肺胞性肺炎

pneumonia

 

区域性とは気道に沿った分布のことです。

非区域性とは気道に沿わない分布であり、Kohn孔を介して横に広がる肺胞性の肺炎はこれに該当します。

Kohn孔を介して横に広がる様子

airspace pneumonia2 airspace pneumonia3

airspace pneumonia4

airspace pneumonia5

airspace pneumonia6

動画でチェックする。

この動画のように肺胞から肺胞へと広がっていくのが、非区域性の特徴です。

関連記事:浸潤性粘液産生性腺癌(以前の粘液産生性BAC)のCT画像診断のポイント!

非区域性コンソリデーションのパターンを示す非感染性疾患

感染症以外で非区域性のコンソリデーションを見た場合を以下を鑑別に挙げる。

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