レジオネラ肺炎(Legionella pneumonia)とは?
- 市中肺炎、院内肺炎(免疫不全患者)ともに起こりうる。
- L.pneumophilaによる細菌性肺炎。グラム染色されず、βラクタム無効より非定型肺炎に分類。
- 冷却塔、温泉・循環風呂、園芸作業など水系環境への曝露。集団発生する。
- 精神・神経症状、消化器症状、腎障害。
- 致死率高い。
- βラクタム系やアミノ配糖体系薬無効。
- エリスロマイシン(マクロライド系)+リファンピシンが有効(細胞内移行が高い。)
- 診断は、尿中抗原迅速診断。喀痰検査で菌を分離(BCYE-α培地)、DNA-プローブ法、PCR法。
- 病理学的所見
1)肺胞腔内に炎症細胞やフィブリンに富む濃厚な炎症性滲出液が充満→浸潤影
2)間質への炎症細胞浸潤や出血→すりガラス影
レジオネラ肺炎の画像所見は?
CT所見
- 急速な進展、多葉性・両側性。肺胞性肺炎。
- 非区域性のコンソリデーション。ただし17%は区域性。(Eur J Radiol.2010 Jun;74(3):e73-8.)
- 区域性から非区域性への移行が早いということ。
- 肺野の陰影パターン(3タイプ報告あり。 Sakai F et al.JCAT 2007)
1)比較的均一なすりガラス影に気管支血管束に沿った斑状の浸潤影。
2)比較的均一は肺葉性・区域性の浸潤影。
3)両側広範な浸潤影・すりガラス影
→臨床所見や発症後の期間との明らかな関連なし。 - 気管支壁肥厚は通常見られない。見られた場合は混合感染の可能性も考慮。
- 胸水
- リンパ節腫大
症例 50歳代男性 発熱・咳嗽
左下葉に濃いコンソリデーションを認め周囲にすりガラス影あり。大葉性肺炎を疑う所見です。
尿中レジオネラ抗原迅速検査で陽性となり、レジオネラ肺炎と診断されました。
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