外腹斜筋(がいふくしゃきん:abdominal external oblique muscle)は、腹部の外側・前面に位置する筋肉で、体幹の動きや腹腔内圧の調整、姿勢の維持に重要な役割を果たします。

外腹斜筋のCT、MRI画像の解剖

胸部のCTやMRI画像を読む上で外腹斜筋がどの場所にあるのか解剖をチェックしましょう。

解剖がよく理解できるように胸部(縦隔条件)の実際のCT画像の外腹斜筋に色を付けてみました。

CTの横断像では以下の場所に外腹斜筋があります。

外腹斜筋は、CT横断像で腹部の最外層に位置する筋肉として確認されます。

自分でCT画像をスクロールしてコロコロ連続画像で見たい方はこちら→外腹斜筋(abdominal external oblique muscle)のCT画像の解剖

外腹斜筋の起始

第5~第12肋骨の外側面:肋骨の下部から筋線維が始まり、斜め下方・内側に向かって走行します。

外腹斜筋の停止

外腹斜筋は筋線維が集まり、以下の部位に付着します:

  • 腸骨稜:骨盤の外側上部に位置する腸骨の稜線。
  • 鼠径靭帯:腸骨稜と恥骨結合を結ぶ靭帯。
  • 白線:正中線に沿って走る腹直筋鞘の結合部分。
  • 恥骨結合:骨盤前面の中央にある恥骨の連結部。

外腹斜筋の機能

外腹斜筋は体幹の運動や安定に関わる筋肉で、主に以下の機能を果たします:

  • 体幹の回旋:片側が収縮すると、反対側に体幹を回旋させる。
  • 体幹の側屈:同側に体幹を傾ける(側屈の動き)。
  • 体幹の屈曲:両側が収縮すると、体幹を前方に屈曲させる。
  • 腹圧の調整:内臓を支え、排便・排尿・分娩時に腹圧を高める。
  • 呼気の補助:強制呼気時に腹腔を圧迫し、横隔膜を押し上げて空気を排出する。

外腹斜筋の神経支配

肋間神経(T7~T12):胸椎から出る肋間神経が外腹斜筋を支配します。

外腹斜筋の特徴

  • 繊維走行:上外側から下内側に向かって走行し、ポケットに手を入れた際の手の向きに一致する(下斜め方向)。
  • 表層筋:腹壁の最外層に位置し、内腹斜筋や腹横筋とともに腹筋群を形成します。
  • 筋膜の広がり:腹直筋を覆う筋膜(腹直筋鞘)を形成し、白線に合流します。

外腹斜筋は、第5~第12肋骨から起始し、腸骨稜、鼠径靭帯、白線、恥骨結合に停止する腹部の最外層の筋肉です。体幹の屈曲・回旋・側屈を行うとともに、腹圧を調整し、呼吸の補助や姿勢の維持に関与します。日常動作からスポーツ動作、呼吸機能まで幅広く重要な役割を担う筋肉です。

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