外傷などで大腿のCTやMRIの画像を見る機会がありますが、専門としていないと普段見ない上に、筋肉の解剖がややこしいので、
「筋肉名が分からない。」
「大腿四頭筋でお茶を濁・・・」
「大腿腹側の筋でお茶を濁・・・」
なんてこともあると思います。
そんなときに確認していただきたいのがこちらの記事となります。
大腿部の筋肉の分類
大腿の筋肉は大きく前部、内側部、後部の3つのエリアに分かれ、それぞれ異なる機能を持っています。
- 前部の筋肉(伸展筋群)
- 内側部の筋肉(内転筋群)
- 後部の筋肉(屈曲筋群)
そしてそれぞれに複数の筋肉が含まれます。
これらの筋肉すべてに色を付けた連続画像がこちら→大腿部の筋肉のMRI画像解剖
それぞれ簡単に見ていきましょう。
詳しくはそれぞれ各論の記事がありますのでそちらをご覧ください。
前部の筋肉(伸展筋群)
大腿四頭筋が主要な筋肉で、膝関節を伸ばす働きを持っています。大腿四頭筋はさらに4つの筋肉で構成されます。
- 大腿直筋:骨盤から膝まで伸びており、股関節の屈曲と膝の伸展を行います。
- 外側広筋:大腿の外側に位置し、膝を伸ばします。
- 内側広筋:大腿の内側に位置し、膝の安定性を助けます。
- 中間広筋:大腿の中心にあり、膝を伸ばす働きをします。
縫工筋も前部の筋肉ですが、は他の大腿四頭筋とは異なり、膝の伸展ではなく、股関節や膝関節の屈曲、外旋、外転などを補助する役割を持っています。
関連記事:大腿で最大の筋肉である大腿四頭筋のMRI画像の解剖
内側部の筋肉(内転筋群)
大内転筋、短内転筋、長内転筋、恥骨筋、薄筋などの筋肉が含まれ、主に股関節の内転を行います。これらの筋肉は歩行時や、体が横に移動する動きの安定性を助けます。
後部の筋肉(屈曲筋群)
ハムストリングスと呼ばれる筋群が主で、膝を屈曲する機能を持ちます。ハムストリングスは以下の筋肉で構成されています。
- 大腿二頭筋:大腿の後部外側に位置し、膝の屈曲と股関節の伸展を行います。
- 半腱様筋と半膜様筋:内側に位置し、膝の屈曲と股関節の伸展に寄与します。
大腿の筋肉は、歩行や走行、ジャンプなどの動作において重要な役割を果たしており、全体として体の支持やバランスの維持にも貢献しています。
関連記事:大腿の後部の筋肉(ハムストリングス,屈曲筋群)のMRI画像の解剖