【頭部】症例1 解答編

【頭部】症例1

【症例】90歳代女性
【主訴】左肩の痛み
【現病歴】今朝5時頃、ベッド脇で倒れて動けなくなっているのを息子に発見され救急要請。
【身体所見】意識清明、外見上明らかな頭部外傷なし。
【データ】WBC 9000、CRP 2.08

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頭蓋内出血や占拠性病変を認めていません。

また、脳梗塞を疑うようなearly CT signも認めていません。

さらに、骨折線も認めません。

診断:異常所見なし。

※この方は、慢性心不全、左下腿蜂窩織炎の診断で循環器内科入院となりました。

 

もしかして、どこかに異常があるはずだと時間を掛けて隈無く探した方がおられたらすいません(;゚ロ゚)。

症例1は異常なしです。

今回この症例を提示したのはくも膜下腔の解剖を理解するのによい症例だからです。

くも膜下腔の解剖

くも膜下腔の解剖はくも膜下出血などが起こっている際に、どこに血腫があるかなど表現するために重要です。

ですのでこの機会に解剖名を復習しましょう。

くも膜下腔の解剖を理解するためには

  • 基底核レベル
  • 脳底部レベル

の2つのスライスで理解すれば十分です。

まずは基底核レベルです。

ここでは

  • 左右のSylvius裂
  • 前大脳縦裂

を中心に覚えておいてください。

続いて、脳底部レベルです。

脳底部レベルでは少し覚えるべき解剖が多くなります。

先ほど出てきた

  • Sylvius裂
  • 前大脳縦裂

に加えて、

  • 鞍上槽≒脳底槽
  • 大脳谷槽
  • 脚間槽
  • 迂回槽
  • 四丘体槽

の解剖名と場所を覚えておきましょう。

関連:

その他所見:淡蒼球および脈絡叢に生理的石灰化あり。

症例1およびくも膜下腔の解剖について動画解説

頭部画像を見る上で押さえておきたい7つのレベル

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お疲れ様でした。

今日は以上です。

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