
【頭部】症例1
【症例】90歳代女性
【主訴】左肩の痛み
【現病歴】今朝5時頃、ベッド脇で倒れて動けなくなっているのを息子に発見され救急要請。
【身体所見】意識清明、外見上明らかな頭部外傷なし。
【データ】WBC 9000、CRP 2.08
画像はこちら
頭蓋内出血や占拠性病変を認めていません。
また、脳梗塞を疑うようなearly CT signも認めていません。
さらに、骨折線も認めません。
診断:異常所見なし。
※この方は、慢性心不全、左下腿蜂窩織炎の診断で循環器内科入院となりました。
もしかして、どこかに異常があるはずだと時間を掛けて隈無く探した方がおられたらすいません(;゚ロ゚)。
症例1は異常なしです。
今回この症例を提示したのはくも膜下腔の解剖を理解するのによい症例だからです。
くも膜下腔の解剖
くも膜下腔の解剖はくも膜下出血などが起こっている際に、どこに血腫があるかなど表現するために重要です。
ですのでこの機会に解剖名を復習しましょう。
くも膜下腔の解剖を理解するためには
- 基底核レベル
- 脳底部レベル
の2つのスライスで理解すれば十分です。
まずは基底核レベルです。
ここでは
- 左右のSylvius裂
- 前大脳縦裂
を中心に覚えておいてください。
続いて、脳底部レベルです。
脳底部レベルでは少し覚えるべき解剖が多くなります。
先ほど出てきた
- Sylvius裂
- 前大脳縦裂
に加えて、
- 鞍上槽≒脳底槽
- 大脳谷槽
- 脚間槽
- 迂回槽
- 四丘体槽
の解剖名と場所を覚えておきましょう。
関連:
その他所見:淡蒼球および脈絡叢に生理的石灰化あり。
症例1およびくも膜下腔の解剖について動画解説
頭部画像を見る上で押さえておきたい7つのレベル
こちらの動画はもしかしたら見たことがある方がおられるかも知れませんが、youtubeにもアップしています。
youtubeの動画はこちら。
もしよろしければついでにチャンネル登録をお願いしますm(_ _)m
お疲れ様でした。
今日は以上です。
今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。
たしかに、急性期の異常がなかなか見つからず、でもなにかあるはずと思って色々探して見ていたのですが、いきなり異常なしですか…(;’∀’) 反省です。。。
しかし、脳実質や裂・くも膜下腔の解剖など、苦手なところ(一番基本的で重要なところ?)が最初に出てきて嬉しいです(^▽^)/ なかなか覚えられないので、これから何度もこのページに戻ってきそうです。
アウトプットありがとうございます。
頭部はちょっと「意地悪ver」で行きたいと思います(嘘)
今後しばらく異常なしが続くかも知れません(^_^;
>脳実質や裂・くも膜下腔の解剖
結構難しいですよね。普段読影していても、「あれ、ここの名前何だったかな」となることがあるくらいですので。
いきなり間違えてしまいました。
その他所見の淡蒼球の生理的石灰化が少し淡い様に見えたので
出血と、してしまいました。
くも膜下腔の解剖はどこに血腫があるかなど表現するために重要!
は知らなかったです。
ありがとうございました。
アウトプットありがとうございます。
>その他所見の淡蒼球の生理的石灰化が少し淡い様に見えたので
出血と、してしまいました。
今後嫌というほど生理的石灰化が出てきますので慣れていきましょう。
確かに出血との鑑別が微妙なこともあるのですが。
>くも膜下腔の解剖はどこに血腫があるかなど表現するために重要!
は知らなかったです。
脳底槽(鞍上槽)やSylvius裂など有名どころから覚えていきましょう。
いきなりの超難問ありがとうございました(笑)。どこを見ても所見が解らず、左の中心溝(中心前回)付近が狭いことから左MCAの梗塞としてしまいました。脳のCTを見るとき、私は、1-4の脳室(1-2は側脳室)とシルビウスの存在確認をしてから、左右非対称部位を探しているのですが、ルーチンで診ておいた方が良い見方はございますか?それを教えるための今回の教材かもしれないので、今後じっくり学ばせて頂きますね。
アウトプットありがとうございます。
超難問でしたね(^_^;
>脳のCTを見るとき、私は、1-4の脳室(1-2は側脳室)とシルビウスの存在確認をしてから、左右非対称部位を探している
これといったルーチンは特に自分の中ではないのですが、
明らかな血腫とわかるような高吸収がないかをチェックして、くも膜下腔を左右差を見ながらチェックですね。
頭部の場合はとにかく左右差が重要ですね。間違い探しみたいな感じですね。
あとは、
軟部、頭蓋骨、顔面骨、副鼻腔、側頭骨、眼窩、トルコ鞍
https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/archives/11246
といったところも見ていくのですが、基本無意識で正常画像との間違い探しをしている感じですね。
どこかに異常がないか、3回くらい時間をおいて確認しましたが…やはり異常はなく、降参する気持ちで「異常なし」と記載しました。
くも膜下腔の解剖について復習したいと思います。
アウトプットありがとうございます。
実際の現場ではほとんどが異常なしですからね。
自信を持って「異常なし」と言いたいところですね。
どうせ異常ないに決まってる!という先入観は時に見落としに繋がりますが・・・。
異常なしと答えることができてよかったです.やはり,臨床症状と合わせて読影するのが重要だと再確認することができました.
おそらく救急で最も遭遇するのが,今回の様な正常画像と思いますが,見落としのない様に,最低限確認しておく点などはあるでしょうか.個人的には副鼻腔や乳突峰巣などに目を通すことを心がけています.
今回もお仲間がたくさんおられる様で心強いです!
と思ったらすでに↑で正常画像についてコメントされていましたね.大変失礼しました.
アウトプットありがとうございます。
>見落としのない様に,最低限確認しておく点などはあるでしょうか
見落としやすい場所をあらかじめ把握しておくことですかね。
外傷の場合は頭蓋底を冠状断像でもチェックしよう!などですね。
>今回もお仲間がたくさんおられる様で心強いです!
いつものメンバーです(^o^)
いきなり難問でした。自信をもって異常なしと言い切る事のなんと難しい事か…
何かしらあるのではとおもい側頭筋の一部を皮下血腫なのではと思ってしまいした。
今回の正常解剖を頭に叩き込んで次回リベンジしたいです。
アウトプットありがとうございます。
>いきなり難問でした。自信をもって異常なしと言い切る事のなんと難しい事か…
実際の臨床の現場では、ほとんどが異常なしなのですが、
まさかESPRESSOの症例1で異常なしが来るとは!!ですよね。
でも、症例2も異常ないかもしれませんよ(悪魔のささやき)
>今回の正常解剖を頭に叩き込んで次回リベンジしたいです。
明日からもよろしくお願いします。
「異常なし」と言い切ることがいかに難しく、勇気が必要なことかを再認識させられます。
解剖では名称や担う機能をすぐ忘れてしまいます。いつも振り返りながらこれからの症例に取り組んでいきたいと思います。
アウトプットありがとうございます。
>解剖では名称や担う機能をすぐ忘れてしまいます。
担う機能についてはかなり難しいこともありますね。
私もむしろ苦手です(^_^;
>いつも振り返りながらこれからの症例に取り組んでいきたいと思います。
よろしくお願いします。
ベッドから転落した可能性を考え、ありもしない骨折としてしまいました。
今回の解説は、頭部の基本となるかと思いますので何度も復習したいと思います。
解剖構造の名前の羅列ではなく、”錐体路が通る”と解説があるだけで、覚える必要性が理解でき大変わかりやすかったです。
アウトプットありがとうございます。
>今回の解説は、頭部の基本となるかと思います
そうですね。今後今回出てきた解剖名などを用いて解説する問題も出てきます。
>”錐体路が通る”と解説があるだけで、覚える必要性が理解でき大変わかりやすかったです。
ありがとうございます。錐体路はとくに大事ですね。
ぱっと見て問題なさそうに思えたのですが、何か所見があるはずだとの先入観から、臨床所見と食い違うにもかかわらず、こじつけで右後大脳動脈梗塞(やや高吸収な印象あり)と診断してしまいました。
くも膜下腔の解剖は全く意識していなかったです。勉強になりました。
アウトプットありがとうございます。
>何か所見があるはずだとの先入観から、臨床所見と食い違うにもかかわらず
意地悪な問題で申し訳ありません(^_^;
>くも膜下腔の解剖は全く意識していなかったです。勉強になりました。
ぜひ意識してください。近い将来の症例で役に立つはずです!
まさかの異常なしでしたか!!泣
何もないなーと30分くらいずっと画像をコロコロ回していたのですが、「何かあるはず!」と思いながら画像を見ていると、骨条件の58/60のスライスで頭頂骨?の左側が骨傷に見えてしまったのですが、これは異常なしでしょうか?
アウトプットありがとうございます。
すいません、貴重な30分をいただきまして(^_^;
頭頂部の左側は血管であり、問題ありません。
同じくころころして左頭頂部の左側の血管が目に入ってきました。左右非対称だったのもあって気になると骨折が除外できませんでした。
頭部の開講、めちゃくちゃ嬉しいです。
アウトプットありがとうございます。
骨折の場合はもっと辺縁が整の直線となりますね。新しいものは。
>頭部の開講、めちゃくちゃ嬉しいです。
腹部参加者のシン先生ですよね。そう言っていただけるとこちらも嬉しいです。
頭部もよろしくお願いします。
淡蒼球の生理的石灰化にて,右側の被殻が若干淡いことと少し広がっている印象で,出血と間違えてしまいました.
自分は技師ですが,やはりこういった悩ましい時に,研修医からも質問を受けたりすることがあるので大反省です…
しかし,やはり何もない画像を「正しく何も無い」と判断する勇気はなかなか出てこないですね.
今後もぜひこちらで勉強させてください…
アウトプットありがとうございます。
>やはり何もない画像を「正しく何も無い」と判断する勇気はなかなか出てこないですね.
とくにこの講座ではなかなか勇気が出ないですね(^_^;
よろしくお願いします。
くも膜下腔の解剖嫌いでしたが、この動画で一気に理解が深まりました。解剖名を抑えると改めてそこに目がいく様になって見落としがへらせそうです。
くも膜下出血の時の問題の際、生かせると信じたいです。
アウトプットありがとうございます。
>くも膜下腔の解剖嫌いでしたが、この動画で一気に理解が深まりました。
それはよかったです。
解剖名がややこしいですもんね。使わないとまた忘れるかもしれません。
近いうちに解剖名を記載する機会があればよいですね(フリ)。
淡蒼球の石灰化を内包としてしまいました。
基底核で低吸収にみえるくの字を内包と覚えていたのですが、淡蒼球との見分けがつきません。
異常を見つけられず、1問目から分かりませんと凹んで答えを確認しましたが、異常なしの所見でホッとしました。
ご無沙汰しております。
アウトプットありがとうございます。
>淡蒼球の石灰化を内包
生理的石灰化の好発部位からも淡蒼球だと分かりますね。
>基底核で低吸収にみえるくの字を内包と覚えていたのですが、淡蒼球との見分けがつきません。
確かにCTではちょっとわかりにくいことがありますね。MRIでもですが。
>異常なしの所見でホッとしました。
意地悪問題ですいません。(^_^;
質問です。
側脳室よりも前頭部くも膜下腔がdensityが高く見えるのはなぜでしょうか?お手数をおかけします。このようなやり取りをさせていただくには、メンバーになり、会費を支払うようなのが良いと思いますが、とりあえずよろしくお願い申し上げます。
コメントありがとうございます。
くも膜小柱や血管があるために人によってはやや高吸収に見えるのだと思います。
確かにそう言われると気になりますが、SAHなどを疑う所見ではありません。
一直線に高吸収だー出血だー!
と思ってましたが異常ないのですね 汗
患者さんになにもなくてよかったですが自分自身解剖を忘れてしまっていることに気づけました。
次の問題までにしっかり復習させて頂きます。
今回もありがとうございました
アウトプットありがとうございます。
>自分自身解剖を忘れてしまっていることに気づけました。
是非この機会にくも膜下腔の解剖を復習してください。
絶対何かある!と思って、異常所見をねつ造してしまいました。
反省です。
しかし、クイズ症例のようなもので、異常なし!というのはよほど読影に自信がないとできないですね(汗)。
普通に読影していていも、異常なし、と書く前に、もう一度みてしまいますから。
ばしっといえるように、ESPRESSOで頑張ります!
アウトプットありがとうございます。
>異常所見をねつ造してしまいました。
多分私が参加する側ならば、同じようにねつ造したと思います。
まさか、正常例を出してくるとは!!!
>しかし、クイズ症例のようなもので、異常なし!というのはよほど読影に自信がないとできないですね(汗)。
ですね・・・。
大先輩にもかかわらず気さくに参加してくださり、大変恐縮です。
これから50症例よろしくお願いします。
精神科の外勤先が認知症治療施設で、慢性変化の多い所見とよく睨めっこしています。
どのくらいが年齢相応なのか、とかまだまだ全く分からないところが多いな、と日々痛感しています(;’∀’)
この講座は救急疾患だと思いますので、また違った切り口ですが、1つ1つものにして深めていければと思います。
アウトプットありがとうございます。
>どのくらいが年齢相応なのか、とかまだまだ全く分からないところが多いな、と日々痛感
年齢相応!!と記載するのは結構難しいことが実際は多いですね。
>この講座は救急疾患だと思いますので、また違った切り口ですが、1つ1つものにして深めていければと思います。
そうですね。基本的に救急疾患のみを扱います。
よろしくお願いします。
頭蓋内には特に異常所見は見当たらないと思いましたが、血液検査dataで炎症病変等があるのではないかと疑心暗鬼になっていました。
ちなみにですが、小脳歯状核あたりにうっすらとある高信号は生理的石灰化ですか?
気になりまして、、、
逆に、脈絡叢の石灰化を見落とし解説の動画を見た際に気づきました。。
脳外科勤務4年目の技師ですがまだまだ観察不足を改めて実感します。
ありがとうございます。
アウトプットありがとうございます。
>小脳歯状核あたりにうっすらとある高信号は生理的石灰化ですか?
おっしゃるとおりです。
こちらも好発部位ですね。
https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/archives/16802
生理的石灰化もその他の所見に最初記載していたのですが、キリがないので途中の症例からやめています。
よろしくお願いします。
頭部の講座、楽しみに待っていました!これからもよろしくお願いします!
淡蒼球の石灰化を間違えて基底核の石灰化としていました。。それでは広すぎますね。。
どう探しても異常所見が見つかりませんでしたが、何かあるはずと考え込んでしまいました。
自信持って異常なしと言えるようにきちんと勉強します。
正常構造もきちんと頭に入れます。
ご無沙汰しております。
頭部もよろしくお願いします。
>淡蒼球の石灰化を間違えて基底核の石灰化としていました。。それでは広すぎますね。。
ちょっと広いですかね。
>どう探しても異常所見が見つかりませんでしたが、何かあるはずと考え込んでしまいました。
まさか症例1から何もないとは!!ですよね。すいません(^_^;
よろしくお願いします。
こんばんは。これから再びお世話になります。
淡蒼球、脈絡叢の生理的石灰化、所見異常なしから、症状を呈している病変を頭蓋外にも広げて検索する必要があると答えました。異常がないことを証明するのは、異常を同定すること以上に難しいことなのかもしれないと感じました。
実際にこちらの患者さんの左肩の痛みや倒れた原因はわかったのでしょうか?
ご無沙汰しております。
頭部もよろしくお願いします。
>異常がないことを証明するのは、異常を同定すること以上に難しいことなのかもしれないと感じました。
そうですね(^_^;
特に今回は症例にしているのでそうかもしれません。
通常は、さらっとみて異常なし!とすることが多いです。
>実際にこちらの患者さんの左肩の痛みや倒れた原因はわかったのでしょうか?
こちらについてはカルテに言及がありませんでした。
久しぶりに画像診断cafeで勉強する事ができ大変嬉しく思います。
今回は自分も何か所見を探さなければと思い、側脳室下角の拡張から脳室の拡大へと無理矢理に繋げてしまいました。
やはり勉強になります。
頭部単純CTを撮影すると、異常ではありませんが横静脈洞のCT値が高く左右差がある患者さんを目にする事がありますが、これは血液のvolumeや血流が個人差(年齢や性別)によって異なるために認められるのでしょうか?
ご教示していただければ幸甚です。
ご無沙汰しております。
よろしくお願いします。
>横静脈洞のCT値が高く左右差
https://www.yodosha.co.jp/rnote/gazou_qa/9784758105484_1a.html
こちらにもあるように左右差は正常でも見られることがあります。
MRIでは頚静脈球に偽病変として認めたり、MRAでは静脈の逆流(特に左側で多い)が高信号となる偽病変がありますね。
頭部CTということで頸椎は一部しか見えませんでしたが、歯突起付近に石灰化、軟組織濃度上昇があるように見えたためcrowned dens syndromeとしてしまいました(左肩痛・CRP高値)。画像を見るのはやっぱり難しいです。まだまだ修行が足りないです。
アウトプットありがとうございます。
>歯突起付近に石灰化、軟組織濃度上昇
はなさそうですね(^_^;
>画像を見るのはやっぱり難しいです。まだまだ修行が足りないです。
頭部CTではまず出血を除外することが最優先ですので、そちらから見るようにしてみてください。
何もないように見えたのに自分を信じれず、石灰化を出血と読んでしまいました...
対称性の出血なんてなかなかないですよね...
アウトプットありがとうございます。
>対称性の出血なんてなかなかない
おっしゃるとおりですね。
>何もないように見えたのに自分を信じれず
多分こういう問題としているから余計ですよね(^_^;
すいません・・・。
お疲れ様です。
絶対に病変があるはずだとくまなく探しましたが、左側頭部皮下が少し腫大気味に見えたので、
皮下血腫と書かせてもらいました(^_^;)
解剖もしっかり勉強させてもらいます。
アウトプットありがとうございます。
少し意地悪な出題で恐縮です。
くも膜下腔の解剖も重要ですのでこの機会に最低限は押さえておいてください。
ハードなスケジュールですが、よろしくお願いします。
くも膜下腔ですが、名称が多くてどこを覚えればいいのだろう、、と思っていましたが、今回それを明確に示していただけたので、勉強しやすいです。ありがとうございます。
アウトプットありがとうございます。
>くも膜下腔ですが、名称が多くてどこを覚えればいいのだろう、、と思っていましたが、今回それを明確に示していただけたので、勉強しやすいです。
よかったです。
くも膜下腔に病変がある場合、どこにあるのか、ある程度表現できる必要がありますので、この機会に覚えておきましょう。
初歩的な質問かもしれませんが、”生理的な石灰化”とは加齢で生じるものということでしょうか?若い人でもあるものなのでしょうか?そもそも”生理的”という言葉はよく使いますが、”生理的”とはどういう意味なのでしょう?”症状を生じない”という意味なのか、”マジョリティーである”ということなのか、なんだか分からなくなってなってきてしまいました。
アウトプットありがとうございます。
石灰化は、生理的石灰化と病的石灰化に分けられます。
つまり、生理的石灰化は「認めても病的ではない」石灰化ということになります。
この生理的石灰化は加齢により頻度が高くなることが知られています。
症状を生じない、マジョリティであるという意味ではないです。
関連
https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/archives/16802
頭部救急講座、購入させていただきました。
しっかりと自分のものにしていこうと思います。
くも膜下腔と言われれば漫然とくも膜下出血のイメージしかなかったので、解剖は全く意識したことがなかったのですが、
これを機にしっかりと学んでいこうと思います。
アウトプットありがとうございます。
ご参加ありがとうございます。
>くも膜下腔と言われれば漫然とくも膜下出血のイメージしかなかったので、解剖は全く意識したことがなかったのですが、
これを機にしっかりと学んでいこうと思います。
くも膜下腔に明らかな高吸収があればくも膜下出血と診断できますが、本来見えるべきくも膜下腔が見えない(ある程度時間の経過したくも膜下出血)形で発見されることもありますので、本来見えるべきくも膜下腔が見えるか見えないかも常にチェックしてみてください。
読影と解説と質問まで出来るなんて、すごく勉強になります!ありがとうございます!
頭部の読影時にくも膜下出血の所見を探すときは上から下まで全体的に確認しなければと思って読影していたので、結構時間かかっていたり、見逃していたりしたのですが、ポイントを確認することが大事ですね!
非典型例のくも膜下出血を探すときは基底核レベルと脳底部レベル以外での確認も必要ですよね、、?
アウトプットありがとうございます。
>非典型例のくも膜下出血を探すときは基底核レベルと脳底部レベル以外での確認も必要ですよね、、?
もちろんです。くも膜下腔の名称、解剖を押さえる上では2スライスを中心に覚えたらよいですが、くも膜下出血の有無の確認にはここだけでなくくも膜下腔を隈無く観察する必要があります。
いつも勉強させていただいています。
先ほど病気がみえるvol.7脳・神経第2版p169の脳脊髄液の通過経路の図中に「脳底槽=鞍上槽+脚間槽」を意味する記載が有るのを見つけました。これはこのページで「鞍上槽=脳底槽」と「脚間槽」が別になっている事と矛盾します。
どちらが正しいのか調べたいので、ごろ〜隊長の記載の根拠となる該当知識の出典を正確に教えていただけないでしょうか?
アウトプットありがとうございます。
「鞍上槽≒脳底槽」に訂正します。
大変申し訳ありませんでした。
色々書籍も調べてみましたが、鞍上槽と脳底槽を分けて同時に記載のあるものが提示していただいた「病気がみえる」でしか見つけられず、
鞍上槽とのみ記載のあるものが半分程度
脳底槽とのみ記載があるものが半分程度
でした。
ほぼ同じ場所なのに呼び方が異なるので混同しないようにという意図だったのですが、=とすると正確ではないので申し訳ありませんでした。
早速の調査とご回答ありがとうございます。
それではごろ〜隊長のお時間が取れる早めに、画像診断まとめとespressoの解説動画の該当内容の修正と、Twitterで該当画像や内容を公開した事が有る場合には訂正ツイートをお願いいたします。
これはいつも出版社に求めているレベルの内容ですが、ごろ〜隊長もそのレベルの影響力が有ると存じます。ご対応をお願いいたします。
きっと言われるまでもなかったとは思いますが^^;
申し訳ありませんが、=でよいレベルだと考えますので修正はここでのみします。
できる対応をしないのは非常に残念です。
いつもお世話になっております。本日より頭部救急画像診断に参戦させていただきます。今後の救急・当直対応で必要になる知識を蓄えるべく頑張ります。
今回のCTでは全体的に病的とはいかないまでも加齢性の脳実質の萎縮による脳室・脳溝の拡大があると考えたのですが、こちらは年齢を鑑みた上での異常所見なしなのでしょうか。
アウトプットありがとうございます。
>今回のCTでは全体的に病的とはいかないまでも加齢性の脳実質の萎縮による脳室・脳溝の拡大があると考えたのですが、こちらは年齢を鑑みた上での異常所見なしなのでしょうか。
加齢による脳萎縮は前頭葉、側頭葉を中心に認めます。
今回の症例もそれらを中心に加齢性萎縮を認めており、正常範囲で異常ではありません。
生理的石灰化と出血はどのように見分けると良いですか?
臨床症状との比較や生理的石灰化の好発部位であるかどうかで判断していますが、画像上のそれぞれの特徴、違いはありますでしょうか。
アウトプットありがとうございます。
>臨床症状との比較や生理的石灰化の好発部位であるかどうかで判断していますが、画像上のそれぞれの特徴、違いはありますでしょうか。
おっしゃるようにまずその高吸収が生理的石灰化の好発部位かどうか、左右差がないかがまず重要です。
その上で紛らわしいときは、CT値を測定し、
CT値>95HU →出血ではない。石灰化など。
CT値<95HU →出血の可能性を否定できない。
と判定することができます。
CT値<95HU でかつ疑わしいときは、MRIを撮影したり、短時間でフォローのCTですね。
関連
https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/archives/13444
いつもありがとうございます。
・四丘体槽と、中脳水道、第四脳室の違い
・側脳室後角、側脳室三角部の違い
がいまいちわかりません。ご解説いただけますと助かります。
よろしくお願いいたします。
アウトプットありがとうございます。
>・四丘体槽と、中脳水道、第四脳室の違い
確かにCTですと境界が見えないので分かりにくいかも知れません。
中脳水道、第4脳室は髄液が産生され、脳表などのくも膜下腔へ出ていく前の脳室部分です。
こちらを参照ください。
https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/archives/38169
一方で、四丘体槽はその背側に存在する脳幹部の周りのくも膜下腔です。
>・側脳室後角、側脳室三角部の違い
この2つに明瞭な境界線があるわけではありませんが、
三角部:側脳室の体部、後角、下角が三方から合流して広くなった部分
後角:三角部から後頭葉に向かって伸びる部分。
と定義されています。
まとまった記事がなかったのでまとめました。
関連
https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/archives/38322
わかりやすい解説ありがとうございました!
すっきりしました!