あなたの目の前に、幼稚園児が1人います。
※このご時世、話がややこしくならないように、その園児はあなたのお子様か、親戚とします。
そしてその子がこう言いました。
さて、あなたはどうしますか?
①鉄棒のコツが書かれた書籍を渡す。
これを読むか、お父さんかお母さんに読んでもらって頑張るんだ!
②鉄棒のコツが収録されているDVDを渡すかYoutubeを見つけて教える。
これを見て頑張るんだ!
③根性論を語る。
君が逆上がりができないのは、そもそも根性が足りないからだ!
私が小さい頃は根性で練習してできるようになったものだ!
最近の子どもは実に根性が足りない。まずはそこからだ!
さあ、どれですか?
しっくりくるものがありましたか?
ないですよね?
違いますよね。
ち・が・う・だ・ろ・ 違うだろー!ですよね。
(※音声が出ますのでご注意ください)
あなたがその子のためにすることは、
鉄棒がある近くの公園にその子を連れて行き、
その子を抱えて、「逆上がりとはこういうものだよ」というのを、
実際に回して体感させること
のはずです。
そして、その子は
「そうか、こういうものか。こういう動きか。こういう感じになれば回るのか。」ということを体感することで、コツを掴んでいきます。
人は基本的に過去にしたことがない動きは急にはできません。
救急画像の読影力を上げるのも同じです。
(全く同じというと語弊がありますが)
研修医「救急画像を読めるようになりたいです!」
①救急画像診断のコツが書かれた書籍を渡す。
これを読んで、頑張るんだ!
②救急画像診断のコツが収録されているDVDを渡すかYoutubeを見つけて教える。
これを見て頑張るんだ!
③根性論を語る。
君が救急画像を読めないのは、そもそも根性が足りないからだ!
私が医者になったころは根性で読めるようになったものだ!
最近の若い衆は実に根性が足りない。まずはそこからだ!
違いますよね。
ち・が・う・だ・ろ・ 違うだろー!ですよね。
(※音声が出ますのでご注意ください)
「効率的に」読影力を上げる!となると、これらではないということです。
指導医「じゃあ、実際この画像を読影してみ。」
研修医「はい。虫垂が腫大しているので、虫垂炎だと思います。」
指導医「そこ虫垂じゃないだろ!虫垂はどこにあるか知ってる?」
研修医「えっと、盲腸のところです。」
指導医「盲腸はどこ?」
研修医「えっと、、、。どこでしょうか?」
指導医「じゃあ、まず、結腸を肛門部から口側に追ってみようか」
研修医「はい。ここが直腸で、ここがS状結腸で、、、、あれよくわからなくなりました。」
指導医「こうやって丁寧に追っていけば追えるだろ」
研修医「あ、繋がりました。横行結腸、上行結腸、回腸末端がここで、盲腸はここですね!!」
指導医「そうだ!」
・・・・・
これですよね。
- 実際に画像をスクロールして
- 自分なりの解釈をアウトプットして
- それを元に指導医に教えて貰う
- そしてそれを繰り返す
ことが、読影能力を最短で上げる方法です。(少なくとも私はそう思っています。)
なぜならば画像診断は、1枚の画像のみを見て診断を答えるような一問一答式のようなものではなく、
- 臨床情報などを参考にしながら、
- 連続した画像をスクロールして、
- 目の前で起こっている異常所見を拾っていき、
- 何が起こっているのかを推測する
という非常にややこしいものであるからです。
でも、こうやって直に指導医に教えて貰うのはかなり実現困難なことです。
なぜなら、そんな手取り足取り教えてくれる時間のある指導医や放射線科医はなかなかいないからです(;゚ロ゚)
よほど人員に恵まれ、研修医指導に力を入れている大学病院レベルじゃないと無理じゃないでしょうか。
だから、みなさん、結局、
救急画像診断のコツが書かれた書籍を片手に、
ぶっつけ本番でやる!
という選択肢しかなくて、救急の現場に出ます。私もそうでした。
※もちろんこれは、画像診断に限らずです。
でも、人は基本的に過去にしたことがない動きは急にはできません。
つまり、過去に見たことがない疾患は基本的に診断できません。
なので、見たことがない疾患は見逃して、痛い思いをするリスクがあります。
そこで、それをできるだけ回避するために、直接指導により近い環境をいらんことしいの放射線科医が作りました。
STEP1 実際の現場で読影するのに近い形で画像をスクロールして読影します。
実際のDICOMデータではないので、100%同じ環境ではありませんが、日常診療で読影するスタイルに近い状態でバーチャル体験することができます。
最近難易度が上がってきて苦戦していますが、
日常診療で遭遇した時に「??」 となりそうな症例をバーチャルで体験し、 勉強させていただけるのはとてもありがたいです。(内科医)
日常診療で読影するスタイルに近く、撮影領域の全スライスの画像をみて考えることができ、しかも、解説が丁寧で、動画もついているし、「画像診断のまとめ」サイトへの誘導もあり、さらに幅広い知識を得ることができ、非常に勉強になりました。(放射線科医)
STEP2 3日以内に自分なりの読影所見を提出します。
問題ページのリンクは3日で切れますので、3日以内に自分なりに読影して、その所見を文字で起こして提出します。
「あー、今日乗り気じゃないけど。」
「疲れてるけど。」
「でも3日でリンク切れるから、やってしまおう!」という締め切り効果を狙っています。
3日でリンクが切れるので、すぐやらないとと思い、いつのまにか習慣になり、楽しみになっていました。(放射線技師)
毎日「3日限定リンク」で症例が送られてくる「鬼ノック」形式は、(大変ですが(笑))とてもいいと思いました。(精神科医)
3日でPWの有効期限が切れる、というのがよかったです。お試しの1症例目は逃してしまいましたが、それ以外は何とか解答することができました。期限設定というのも大事な要素ですね。(放射線科医)
メールが届いて3日経過するとリンクが無効となり、その問題を見ることができなくなります。
この締め切り効果を利用して、継続して参加して頂く仕組みを作っています。
※3日以上経過した場合は、その症例の回答を提出することはできなくなりますが、10症例終わるごとに解答URL、パスワードを掲載した症例リストを別途メールしますので、取り組めなかった症例も解説をみたり、画像を見ることは可能です。
STEP3 回答提出直後に自動返信メールで送られてくる解答ページを確認します。
自分なりの読影の結果と、正解をすぐに照らし合わせることができます。
「結局あの症例、結果どうだったんだろう。放射線科の読影レポートまたみなきゃ。」と思いつつ、忙しい日常で確認せずにそのまま終わるということが避けられます。
また解説は、基本的にPowerPointを用いて作ったオリジナルの素材を用いてできるだけ理解がしやすいように記載しています。
画像を連続で見れるのがとても良かった。また、解説でのイラストが疾患の理解にとても役立った。(放射線技師)
画像を見て考えてから解説メールが届く上、解説がとてもわかりやすく、まるで隣に指導医がいるかのような環境でした。そしてひとつひとつの症例が、なるほど!と面白く感じるものばかりでした。
(脳外科医)
イラストやシェーマは、書籍の中から分かりやすいものがあればそれから引用改変(引用先は明記しています。)したり、オリジナルでイラストレーターにお願いして作って貰っています。
腹部TIPS症例に参加してみたり、画像診断まとめサイトをご参照頂き、どういったテイストなのかをご確認いただき、「自分に合いそう」かどうかご確認いただくのもいいかもしれません。
STEP4 解答ページの動画解説を視聴します。
ESPRESSO救急画像診断の解答ページには、全ての症例で管理人作成の解説動画を掲載しています。
専用のマイクを用いて、有料の動画編集ソフトを用いて作っています。
特に先生の動画解説で、教えて貰いたかった読影のコツなどを丁寧に教えて頂き、後半の復習問題では、完璧に正解ではなくても「惜しい!」「あ、そこそこ読めてる」「あ、どこかで習ったはずなのに見落とした」とか、日常の業務でも、「あ、この間の問題に出てたケースだ」とか、知らなかった病名や画像サインを多用する機会もあり、何とか最後まで回答を返せて良かったと思います。(放射線技師)
間違ったものは動画もみて、どういったところを見ればいいのか、その流れを確認しました。画像診断のまとめサイトも以前から知っており、ちゃんと読みたいと思いながら、なかなか時間を作れなかったのですが、今回、症例解説からの誘導で、しっかりと読むことができ、これも勉強になりました。(放射線科医)
ちょっとした所見を読むときなど、あ、あのとき先生が動画でこういっていたなと思い出したり、実際に動画を見返しながら現場で読影することもありました。(放射線科医)
連続画像を見て頂くのですから、連続画像を用いて、それを見ながら解説しているところを作る。つまり、動画解説こそが最も理解が深まるものだと考えています。
撮影したり、編集したり、かなり手間ではありますが、この動画解説もこのESPRESSO救急画像診断の他にない特徴だと思っています。
STEP5 学んだことや疑問などをコメント欄からアウトプットします。(任意)
任意ではありますが、その症例を通して学んだことや、上手く診断できたこと、できなかったことなどをコメント欄でアウトプットします。
2019年6月13日時点(開始してから半年ちょっと)でコメント総数は3000を超えています。(半分は私のものですが。)
コメントすることで、良い学びになりますし、コメントを見るだけでも、みなさんがどのように感じたのかなどを知ることができます。
毎回新しい知識・発見が得られる.すぐに答えがフィードバックされる.同じ様に参加し,コメントしている仲間がいる.それが参加のモチベーションになりました。(研修医)
コメント欄への書き込みやそれを見ていただくことで、過去に同じ症例で
- どのような疑問が生まれたのか?
- どこでつまづいたのか?
などを知ることができ、また同じ日に同じ症例をみなで取り組んでいるということも、継続へのモチベーションになっています。
このような5STEPから画像診断力アップを目指すのが、ESPRESSO救急画像診断です。
書籍学習や動画学習と何が違うでしょうか?
それは、参加してアウトプットしているということです。
STEP1 実際の現場で読影するのに近い形で画像をスクロールして読影します。
STEP2 3日以内に自分なりの読影の所見を提出します。
STEP5 学んだことや疑問などをコメント欄からアウトプットします(任意)。
STEP1-5のうち、この3つは、書籍や動画では体験できないことです。
とくに、STEP2とSTEP5は、あなたは言葉を発しなければなりません(タイピングでですが)。
つまり、アウトプットをしているということです。
このアウトプットこそが非常に重要です。
2年目の研修医が1年目の研修医に指導すると、一番学びになるのは2年目の研修医。
インプットした後でアウトプットした人が一番学びになる。
画像診断のコンテンツを作っているけど、実は一番学んでいるのは私。#画像診断 #画像診断まとめ #画像診断cafe #ESPRESSO救急画像診断
— ごろ~にゃ@画像診断cafe (@radiology_cafe) 2018年12月14日
アウトプットすることで、あるいはアウトプットしようとすることで、
- 自分に足りないものがわかる。
- 知識が浅かったことが分かる。
- 知識が整理される。
- 間違えたときに痛い思いをすることができる。
という効果があります。
つまり、自分なりの回答を提出する、その日の気づきを言語化する、とか、学んだことを人に教えるというアウトプットという行動は、単なるインプット以上の学びがあるということです。
ということで、勤務先などで画像診断について教えて貰える環境がない場合、
単なる書籍学習や動画学習とは異なる
ESPRESSO救急画像診断こそが、救急画像の読影力を効率的に上げる方法
であると私は考えています。