脳出血とCT値
- CTにおいて急性期出血は高吸収を示す。これは血液が血管外に漏出後、血漿成分が吸収され、ヘマトクリット値(Ht)が上昇するから。
- 脳実質のCT値は白質30〜34HU、灰白質37〜40HU程度であり、脳実質内に出た血腫はCT値50〜60HU程度を示し高吸収を示すので同定できる。
- 貧血症例では血腫のCT値が低下するため、認識困難なこともあり注意を要する。
血腫と経時的変化
- 血腫は4〜7日後から辺縁から低吸収になっていく。
- 2〜4週間後には血腫は等吸収となる。
- この時期に造影CTを施行すると、血腫の辺縁部にリング状の造影効果が認められる。
- 慢性期の1ヶ月以後では低吸収値を示し、数ヶ月の経過では嚢胞化を示す。
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血腫CTの上限
・理論的に血腫のCT値はヘマトクリット値が100%でも94HUとされており、95HUを超えるものは血腫ではない。
・したがって、出血と紛らわしい石灰化病変との鑑別はCT値を測定することで鑑別可能。
- CT値>95HU →出血ではない。石灰化など。
- CT値<95HU →出血の可能性を否定できない。
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