
【症例】20歳代 男性
【主訴】咽頭痛
【現病歴】昨日より咽頭痛と発熱を自覚し、昨日夕方には39℃に達し、咽頭痛により流涎があった。本日は昨日より少し軽度の咽頭痛が持続し、呼吸困難感と摂食困難が続いているため来院。
【既往歴】なし
【身体所見】意識清明、BT 37.1℃、BP 117/68mmHg、P 75bpm、SpO2 98%(RA)
【データ】WBC 13300、CRP 6.55
画像はこちら
左優位に内頚動静脈の周囲(レベルⅡ)に多発リンパ節を認めています。左では一部腫大があります。
単純CTなのでちょっと分かりにくいですが・・・(^_^;)
今回絶対に気づかないといけないのがこの所見です。
喉頭蓋が腫大しています。
喉頭蓋炎を疑う所見です。
このレベルでは左のレベルⅡにリンパ節腫大を複数認めています。
診断:急性喉頭蓋炎(+左レベルⅡを中心に反応性リンパ節腫大疑い)
※耳鼻科緊急対応困難ということで他院へ転送となりました。
【顔面+α】症例35の動画解説
お疲れ様でした。
今日は以上です。
今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。
日頃、頚部CTを読影する際、位置決め画像で「脊椎前面の軟部の厚み」や「喉頭蓋の肥厚」を確認するように心がけています。
今後は作成して頂いた動画を参考に、頚部リンパ節をレベルシステムで記載できるようにトレーニングしておきます。
1点確認なのですが、披裂喉頭蓋ひだ周囲も肥厚と考えてよろしいでしょうか?
アウトプットありがとうございます。
>今後は作成して頂いた動画を参考に、頚部リンパ節をレベルシステムで記載できるようにトレーニングしておきます。
是非参考にしてください。
>1点確認なのですが、披裂喉頭蓋ひだ周囲も肥厚と考えてよろしいでしょうか?
そうですね。50 / 130あたりを中心に肥厚しています。
頸部リンパ節や扁桃、間隙ばかりに目がいき、喉頭蓋の腫大に気が付きませんでした。
指摘後はもうそこしか目に入らないのですが、読影はそういうものだと思います。
まだまだ未熟なので、何度も復習して違和感にすぐ勘づけるようにします!
アウトプットありがとうございます。
>喉頭蓋の腫大に気が付きませんでした。
主治医はここを確認するために撮影したようですが、前情報がないと左右対称なのでスルーしてしまいがちですね。
普段薄い喉頭蓋を見慣れていれば、「あれ、いつもと違うような」と違和感を持つようになります。
正常な喉頭蓋を見慣れていなくて分からなかったです。正常の症例をご教授いただけないでしょうか。
アウトプットありがとうございます。
正常の症例はこれまでたくさん見てきたはずです。
過去の頸部の画像を見直してください。
例えば症例24
https://imaging-diagnosis.com/view/nZdB9BvG
今回の症例と是非見比べてみてください。
顔面シリーズも本当に勉強になりました。ありがとうございます。
疑われるとすぐ挿管されることが多いので挿管される前に撮影される喉頭蓋炎のCTは見たことありませんでした。スカウト画像でもわかりそうですね。
この方はまだ胸腺が残っているのでしょうか?
アウトプットありがとうございます。
>疑われるとすぐ挿管されることが多いので挿管される前に撮影される喉頭蓋炎のCTは見たことありませんでした。スカウト画像でもわかりそうですね。
そうですね。探したのですが意外と喉頭蓋炎の画像は見当たりませんでした。
>この方はまだ胸腺が残っているのでしょうか?
そうですね。20歳代の方なのでこれくらいは正常範囲ですね。
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