【顔面+α】症例34

【症例】50歳代 女性
【主訴】たまに黄色の鼻汁あり
【現病歴】半年前から特に左側で鼻の中が痛いことがあり、来院。

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CT

MRI

まずはCTから見ていきましょう。

左上顎洞に全周性の粘膜肥厚を認めており、一部高吸収域を認めています。

副鼻腔炎を疑う所見です。

やや尾側レベルでは、左上顎洞の中心部に高吸収が目立ちます。

このような片側性の副鼻腔炎に主に中心部に高吸収部位を認めた場合、真菌性の慢性副鼻腔炎の可能性を考える必要があります。

骨条件で見てみると、左上顎洞は後壁(〜外側壁)、前壁ともに骨の肥厚を認めており、慢性的な副鼻腔炎を疑う所見です。

次にMRIを見てみましょう。

DWIやADCでは有意な所見は認めていません。

次にT2WIを見てみましょう。

(直下は空気であるため微妙ではありますが)左の上顎洞の粘膜肥厚の中心部にはT2WIで低信号域あり。

これは真菌性の慢性副鼻腔炎を疑う所見です。

 

診断:左慢性上顎洞炎(真菌性の可能性あり)

 

※耳鼻咽喉科入院の上、手術が施行され、アスペルギルスが検出されました。

最終診断:左慢性真菌性副鼻腔炎

関連:真菌性副鼻腔炎とは?アスペルギルスは?画像診断のポイントはこれ!

【顔面+α】症例34の動画解説

 

 

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