Morel-Lavallée lesion(MLL)
- 外傷によって皮膚および皮下脂肪組織が筋膜と離開し、血腫を形成後、残存する液体貯留が線維性被膜によって被包化されたものをMorel-Lavallée lesionと呼ぶ。
- 血腫、seroma、リンパ液貯留、瘢痕などさまざまな段階が含まれるが、遷延する液体貯留、血腫として認められることが多い。
- 通常の打撲で認められる皮下血腫と異なり、筋膜と筋膜上の軟部組織が分離され、穿通血管・リンパ管の損傷により生じた閉鎖腔内に血液・リンパ液が貯留する。
- 閉鎖性損傷であるため外見上から損傷が認識されにくい。
- 大腿骨の大転子部周囲に好発する。
- 腰椎の棘突起周辺や、膝関節、肩甲骨周囲などにも発生する。
- この液体貯留は消失する可能性もある(たいていは持続して存在)。
- 大腿骨や骨盤骨骨折からみられる場合がある。
- 治療は保存療法はあまり効果が期待できず、外科的切除が選択される。
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症例 40歳代女性 古い外傷後の右腰部痛
引用:radiopedia
右大腿近位部(右大腿骨大転子部周囲)の皮下組織と筋膜の間の側面にレンズ状によく囲まれた液体が溜まっています。
Morel-Lavallée lesion(MLL)を疑う所見です。
参考文献:
- 臨床画像 Vol.34 No.5 2018 P557
- 画像診断 Vol.39 No.6 2019 P533
- 救急医学 第45巻第13号 2021年11月臨時増刊号 P1913