膵上皮内腫瘍性病変(PanIN:pancreatic intraepithelial neoplasia)とは?
- 膵管の異型上皮病変を総合的にとらえる概念。PanINの読み方はパンイン。
- 膵癌の前駆病変(前癌病変)となることがある病変として最多。(そのほか前駆病変としては、IPMN、粘液性嚢胞性腫瘍(MCN)、膵管内管状乳頭腫瘍(ITPN:intraductal tubulopapillary neoplasm)などがある。)
- low gradeのPanIN1,2からhigh gradeのPanIN3(上皮内癌)、そして浸潤性膵管癌に至るprogression modelが提唱され、low grade PanINから浸潤性膵管癌に至るには10〜15年くらいの自然史があると考えられている。
- 進行癌に先立って、前駆病変として、PanINに伴う限局性の膵萎縮や脂肪化が起こることが知られており、早期膵癌を発見するのに重要な所見と考えられている。
PanINを示唆するCT、MRI画像所見
- 限局性膵萎縮
- 膵嚢胞
- 主膵管狭窄
- 上流主膵管拡張
- 小結節
- 大結節・転移巣
※下に行くほど進行した場合に認める。
※ただし加齢に伴うlow grade PanINは半数以上の症例で認め、low grade PanINのほとんどは浸潤癌に至らないことも知られている。
参考文献:
- 画像診断 Vol.42 No.3 2022 P247-251
- 画像診断 Vol.41 No.1 2021 P123
- 画像診断 Vol.41 No.4 増刊号2021 P82