膵癌のCT診断

  • 早期相(膵実質相)、門脈相、遅延相(平衡相)の3相を基本とする膵ダイナミックCTにて診断する。
  • 膵癌は乏血性のため、増強効果は乏しい。従って、膵実質相において、高吸収を示す膵実質を背景に、低吸収の腫瘤として描出される。(遅延性に濃染される。ずっと低吸収ではない。)
  • 門脈相は、肝転移の評価に最も適している。
  • 膵実質相では困難な小膵癌(等吸収膵癌)が遅延相で高吸収の腫瘤として描出されることも少なくない。
  • 2cm以下のPKをTS1膵癌という。T1膵癌とは2cm以下で膵内に限局したもの。TS1膵癌の割合は全体の4%程度、さらにTS1膵癌のうちT1膵癌である割合は1/3以下。
  • 時間濃度曲線(TDC:time density curve)において、膵は動脈支配のみなので肝より実質相が早い

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非典型的膵癌

  • 膵癌は低吸収であることが9割程度であるが、1割程度は、等吸収膵癌である。その場合、平衡相が有用で、平衡相で高吸収を呈する。
  • 等吸収膵癌は低吸収膵癌に比べてサイズが小さい傾向にある。
  • 等吸収膵癌は平均3cm前後であるのに対して、低吸収膵癌は1cm前後であることが多い。
  • 等吸収膵癌は高分化〜中分化である事が多い。
嚢胞を伴う膵癌を見たときに考えること
  • 膵癌+貯留嚢胞が最多。
  • 他には、腫瘍壊死・出血、IPMN由来の膵癌、IPMNの併存膵癌、浸潤性腺癌の嚢胞状拡張もあるので注意が必要。

典型的な膵癌はもちろん平衡相のみでしか認識できない膵癌が、1割強という無視できない頻度であることを覚えておきましょう。

従って膵癌の検出にはダイナミックCTが必須であり、平衡相をきちんと撮影することが重要です。

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参考)画像診断2006年1月膵癌のCT/MRIによる検出、鑑別、病期診断 九州大学 入江裕之先生

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