気管支喘息(bronchial asthma)
- 下気道の慢性炎症。
- 上皮下へのコラーゲン沈着による基底膜肥厚。
- 気道過敏性亢進などさまざまなトリガーにより発作が起こる。
- 発作時は平滑筋の収縮や粘液栓による気道閉塞が起こり、喘鳴、咳嗽、呼吸困難などの症状を呈する。
- 喘鳴を呈する疾患としては、喘息の他、COPD、ACO(athma-COPD overlap)、左心不全(cardiac asthma)などがある。
気管支喘息(bronchial asthma)のCT画像診断
胸部X線所見
- 肺野含気量の増加および透過性亢進、気管支壁肥厚
CT所見
- 気管支の拡張や狭窄、
- 気管支壁肥厚(重症の喘息ほど壁肥厚は強くなる。)
- 小葉中心性分岐状陰影
- 円柱性気管支拡張
- 粘液栓
- 末梢気道の狭窄に伴い、呼気CTにおいてair trapping→mosaic appearance(モザイクパターン)
- 板状無気肺
※可逆性の気道閉塞障害を呈する。通常画像診断に回ることはない。
症例60歳代女性 喘息発作
両側びまん性に気管支壁肥厚を認めています。
(加療後CT)
このように特に治療歴のない喘息の場合は、吸入ステロイドにより気管支壁の肥厚が軽減することが知られている。
逆に慢性的に気管支喘息がある場合、気管支壁の肥厚が軽減しにくい。
動画で学ぶ気管支喘息
気管支壁の肥厚を来す疾患
気管支喘息以外にも、
- 咳喘息
- 非喘息性咳嗽(逆流性食道炎など)
において気管支壁を来すことが報告されている。その気管支壁の肥厚の程度は、
咳喘息>非喘息性咳嗽>正常 と報告されている。(Chest 131:1042-1049,2007)
mosaic perfusionを来す疾患
気道疾患
(mosaicの機序:気管支・細気管支の病変により気道閉塞→血流低下→肺野濃度に差が出る)
血管疾患
- 慢性肺血管疾患
- 慢性肺塞栓症
- 慢性肺高血圧
*(注意)急性の肺動脈閉塞では起こらない。
喘息症状をきたす肺疾患
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