periportal collar(halo) signとは?
- 単純CTもしくは造影CTで肝臓の(胆管拡張以外に)門脈周囲に沿った低吸収の帯状域を認めることがあり、periportal coIIar(halo)と呼ばれる。
- MRIではT2WIで同部位は高信号として認められperiportal abnormal intensity:PAIと呼ばれる。
- 組織学的には門脈域に生じた炎症性変化、リンパ浮腫。
periportal collar(halo) signの鑑別診断は?
- 肝外傷:肝裂傷や肝静脈圧上昇による。
- 肝硬変、特に原発性胆汁性肝硬変(primary biliary cirrhosis;PBC)
- 急性肝炎
- 急性胆嚢炎
- 胆管炎:原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis;PSC)など
- 肝移植後拒絶反応
- 肝門部腫瘍(リンパ節転移など)
- 右心不全
- 骨髄移植(微小静脈閉塞による)
- その他:肝膿瘍、低蛋白血症、敗血症、急性膵炎、炎症性腸疾患、急性腎盂腎炎、粘液性の胆管細胞癌など。
periportal collar signの原因とならないのは?
- 肺炎
- 右心不全
- 急性肝炎
- 急性胆のう炎
正解!
不正解...
正解は肺炎です。
肺炎はperiportal collar signの直接の原因とはなりません。
問題に戻る
症例 30歳代男性 急性肝炎に伴うperiportal collar
門脈周囲両側に低吸収域を認めており、periportal collarを疑う所見です。
症例 60歳代男性 右心不全に伴うperiportal collar
門脈周囲両側に低吸収域を認めており、periportal collarを疑う所見です。
症例 60歳代男性 右心不全
門脈周囲両側に低吸収域を認めており、periportal collarを疑う所見です。
症例 30歳代男性 急性肝炎
門脈両側に高信号を認めており、periportal abnormal intensity:PAIの所見です。
※CTでは、periportal collarと表現しますが、MRIのT2WIではperiportal abnormal intensity:PAIと表現します。
動画で学ぶ右心不全に伴うperiportal collar
動画で学ぶ急性肝炎に伴うperiportal collar (30歳代男性)
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急性胆嚢炎の場合腹部超音波検査でperiportal collarは描出されるのでしょうか
コメントありがとうございます。
肝実質とグリソン鞘との音響インピーダンスの差が上昇するため、びまん性に肝内門脈壁エコーが増強し、高エコー域の浮腫性変化を認めることがある。
門脈右枝や左枝、臍部などの比較的太い門脈枝が観察しやすい。
と記載がありますので、CT同様に胆嚢炎でも描出されることがあります。
参考文献:レジデントノート Vol.22 No.14(増刊)2020 P111-112
↑こちらの書籍には実際の画像も掲載されています。
早々に丁寧に説明ありがとうございました。
回答は大外れ。
肝疾患のCT像はほとんどみていませんでした。その理由は急性期病院へお願いするからです。下手に画像撮らない方が良いとおもってしまいます。
とはいえ 内科ですから、関係は深いですが periprtal sign, tram line 。 漿膜下浮腫という単語は聞いたことがありませんでした。今 肝硬変、原発性肝がんの患者をうけもっているので もらった画像をみなおします。
ところでこの症例の胆嚢の漿膜下浮腫の中に強く造影されているのは胆汁でしようか。
私信:明日から手術を受けるために入院です。勿論そのための画像は X線。MRIでした。しばらくお休み。