肝腫大の基準は?
肝腫大の有無の判断は年齢(若い人は肝臓が大きいことが多い)、体格、その他の病態などもあわせて総合的に判断しなければならず判断に迷うことが多いが、
- 肝臓の大きさが頭尾方向に15.5cmを超える場合
- 右葉の下極が右腎臓の下極よりも尾側に達している場合
- 肝の辺縁が丸く変形している場合
などにを考慮する1)。
びまん性肝腫大の鑑別診断2)
炎症
- ウイルス性肝炎、慢性肝炎
- アルコール性肝硬変
- その他のウイルス性肝炎(EBウイルスなど)
- 微小膿瘍
びまん性腫瘍浸潤
- 悪性リンパ腫
- 白血病
- びまん型肝細胞癌
- 微小転移あるいは類洞内浸潤性転移
沈着症
- 脂肪肝
- アミロイド
- ヘモクロマトーシス
- Gaucher病
- Niemann-Pick病
うっ血性
- 右心不全
- 収縮性心膜炎
- 三尖弁狭窄
- Budd-Chiari症候群
血液疾患
- 真性多血症
- 骨髄線維症
参考)
1)Surg Clin North Am,57:233-244,1977
2)肝胆膵の画像診断―CT・MRIを中心に (『画像診断』別冊KEY BOOKシリーズ)