原発性胆汁性肝硬変
・肝内胆管の慢性炎症による胆汁排泄障害+肝実質細胞の障害
→肝内胆管の進行性の線維化、狭窄が特徴。
・無症候で経過する例が多くを占めるが、進展すると慢性胆汁うっ滞性肝硬変に至り、門脈圧亢進症状や肝不全を引き起こす。
・原因不明の疾患。
・自己免疫性機序が病因として考えられている。
・90%以上で血中のIgG型の抗ミトコンドリア抗体が検出される。
・中年女性に好発。9割女性。
・症状は、皮膚掻痒感、黄疸など肝障害に基づく自覚症状。
・無症候性のPBCは予後良好だが、3割は症候性に移行し、予後不良。
・主な死因は肝不全、消化管出血。
・重症例では肝移植の適応となる。
こちらもどうぞ→原発性胆汁性肝硬変(PBC)の診断と治療法は?
画像所見
・その他の原因による肝硬変と類似して、肝萎縮、静脈瘤、脾腫を起こす。
・異なるのは反応性のリンパ節腫大が8割以上に見られるということ。特に、肝門部や、portacaval領域(門脈と下大静脈の間)に反応性リンパ節腫大が認められる。
・頻度は少ないが、リンパ節腫大が心横隔膜角や、胃十二指腸間膜、傍大動脈などにも認められることがある。
・CTにてperiportal collarが見られることがあるのは他の肝硬変と同様。
・ちなみにPSCではより太いレベルの胆管に異常が見られる。
動画で学ぶ原発性胆汁性肝硬変の画像所見
▶キー画像
参考)
・肝胆膵の画像診断 山下康行先生
・腹部、骨盤部画像診断のここが鑑別ポイント 東京女子医科大学 桑鶴良平先生
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