先に結論:tree-in-bud(木の芽様陰影)とは

  • CTで、細い枝(細気管支)の先に小さな粒(つぼみ)がついたように見える陰影で、細気管支の中に膿・痰・粘液などがつまった状態を表します。胸膜から少し離れた小葉中心性に分布します
  • 原因の多くは感染症で、活動性肺結核・非結核性抗酸菌症(MAC)が代表です。ほかに細菌・マイコプラズマ・ウイルスによる細気管支炎、誤嚥(びまん性誤嚥性細気管支炎)、びまん性汎細気管支炎などがあります
  • 結核が疑われる場合は痰の検査(塗抹・培養・PCR)で確認し、周りへの感染に注意します。まれに肺動脈の腫瘍塞栓でも似た形になります
  • 日本語では木の芽様陰影・つぼみ状陰影などと呼ばれ、読影レポートでは「小葉中心性の粒状影・分岐状影」と書かれることもあります

胸部CT画像におけるtree-in-bud appearance(つぼみ状陰影)とは?

tree-in-bud appearanceとは、胸部CT(特にHRCT)において気管支周囲に認められる、小枝の先端に芽がついたような形をした末梢気道病変のことを指します。

直訳すれば「つぼみをつけた樹枝」のような形状で、主に末梢細気管支内の粘液・膿・異物・腫瘍などが原因で細気管支やその周囲の構造が肥厚・拡張して見えることから、感染や気道病変を疑う重要なCT所見のひとつです。

tree-in-bud appearanceのCT所見

  • 小葉中心性結節(centrilobular nodules)
  • 小葉中心の末梢気管支構造がびまん性に太く描出される
  • 枝分かれする形の陰影(linear or branching opacities)
  • 胸膜から少し離れた小葉中心に分布し、胸膜には接しない

→これらが組み合わさって“つぼみをつけた枝”のように見える所見がtree-in-budです。

症例 50歳代男性

左下葉S6に一部tree-in-bud appearanceを認めています。

細気管支炎を疑う画像所見ですが、小葉中心性の粒状影や分岐状影は、活動性肺結核で最も多くみられるCT所見です。新たに診断された活動性肺結核などの41例では、直径2〜4mmの小葉中心性病変が95%にみられたと報告されています(Im 1993)。

粒が細かい所見は陰影が弱いところで探しましょう。

塗抹検査の結果、肺結核と診断されました。

tree-in-bud appearanceを呈する主な疾患

1. 感染性疾患

  • 活動性肺結核(最重要):tree-in-budはもともと結核が気管支を通って広がる(経気道散布)例で報告された所見(Rossi 2005)
  • 非結核性抗酸菌症(NTM症):MAC(Mycobacterium avium complex)などが代表
  • 細菌・真菌・ウイルスなどによる気道の感染(Rossi 2005)。急性気管支炎・肺炎の17.6%にtree-in-budがみられたと報告されている(Aquino 1996)

2. 慢性炎症・非感染性疾患

3. 腫瘍性・その他

  • 肺動脈の腫瘍塞栓(細い肺動脈に腫瘍がつまり、血管性のtree-in-budを呈する。Franquet 2002)
  • 粘液産生性の腺癌が感染症に似たtree-in-budを示した報告もある(Pendkar 2025)

tree-in-bud appearanceの診断上のポイント

tree-in-budを認めたときは以下を確認しましょう:

  • 分布:片側 vs 両側、上葉優位 or 下葉優位か(MAC症では中葉・舌区(S4・S5)に強い病変が多い。Kitahara 1997)
  • 背景所見:気管支拡張、コンソリデーション、空洞などの併存所見。薄層CTでtree-in-budを示した27例中26例は気管支拡張または中枢気道の壁肥厚を伴い、気管支拡張例の25.6%、急性気管支炎・肺炎の17.6%にtree-in-budがみられた。一方、肺気腫・閉塞性細気管支炎・器質化肺炎・過敏性肺炎・呼吸細気管支炎ではみられなかった(Aquino 1996)。
  • 臨床経過:急性 vs 慢性、反復性、免疫状態

関連記事:覚えておきたい胸部CTの代表的な画像サインまとめ

tree-in-budでよくある疑問(Q&A)

Q. tree-in-budがあれば結核ですか?

A. 結核は最も注意すべき原因ですが、非結核性抗酸菌症、一般的な細菌やウイルスによる気管支炎・肺炎、誤嚥なども原因になり、画像だけで区別できないことも多いです(Rossi 2005)。痰の検査や経過、ほかの所見と合わせて判断します。

Q. tree-in-budは治療で消えますか?

A. 原因によります。活動性肺結核では、小葉中心性の病変の多くが治療開始から5か月以内に消えたと報告されています(Im 1993)。せきや痰、微熱が長く続くときは、早めに医療機関を受診してください。

まとめ

tree-in-bud appearanceは、細気管支内病変(感染・炎症・腫瘍)の存在を示す重要なCTサインです。

病歴と画像所見を統合して、疾患の診断や治療方針決定に活用しましょう。

参考文献:

  1. Rossi SE, Franquet T, Volpacchio M, et al. Tree-in-bud pattern at thin-section CT of the lungs: radiologic-pathologic overview. Radiographics. 2005;25(3):789-801. PubMed
  2. Akira M, Kitatani F, Lee YS, et al. Diffuse panbronchiolitis: evaluation with high-resolution CT. Radiology. 1988;168(2):433-438. PubMed
  3. Aquino SL, Gamsu G, Webb WR, et al. Tree-in-bud pattern: frequency and significance on thin section CT. J Comput Assist Tomogr. 1996;20(4):594-9. PubMed
  4. Eisenhuber E. The tree-in-bud sign. Radiology. 2002;222(3):771-2. PubMed
  5. Franquet T, Giménez A, Prats R, et al. Thrombotic microangiopathy of pulmonary tumors: a vascular cause of tree-in-bud pattern on CT. AJR Am J Roentgenol. 2002;179(4):897-9. PubMed
  6. Im JG, Itoh H, Shim YS, et al. Pulmonary tuberculosis: CT findings–early active disease and sequential change with antituberculous therapy. Radiology. 1993;186(3):653-60. PubMed
  7. Kudoh S, Keicho N. Diffuse panbronchiolitis. Clin Chest Med. 2012;33(2):297-305. PubMed
  8. Kitahara Y, Harada Y, Harada S, et al. [The distribution and the characteristics in computed tomography (CT) of the lungs in primary Mycobacterium avium complex (MAC) infection]. Kekkaku. 1997;72(4):173-80. PubMed
  9. Pendkar CR. Branches of Deception: A Tree-in-Bud Pattern Revealing Advanced Non-small Cell Lung Cancer (NSCLC). Cureus. 2025;17(8):e90957. PubMed

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