【胸部】TIPS症例22
【症例】70歳代男性
スクリーニング
画像はこちら
右胸膜肥厚の原因は?
まず左肺尖部に石灰化結節を認めており、石灰化肉芽腫が疑われます。
陳旧性結核をまず疑う所見です。
で今回問題となっている右胸膜肥厚を認めており、石灰化を認めています。
石灰化部位は症例20や症例21と異なり、臓側胸膜側(内側)に認めていることが分かります。
また胸膜肥厚は右側のみに認めています。
これらは、陳旧性(結核性)胸膜炎を疑う所見です。
左肺尖部の石灰化肉芽腫もあり、陳旧性結核性胸膜炎がより疑わしいですね。
診断:右陳旧性結核性胸膜炎疑い
※40歳代のときに胸膜炎(詳細は不明)の既往がありとカルテには記載があります。
【胸部】TIPS症例22の動画解説
お疲れ様でした。
今日は以上です。
今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。
症例20のおかげで答えられました。臓側胸膜の場合は鑑別が少なく結核と答えやすいですね。
アウトプットありがとうございます。
結核の場合は、肺野の石灰化肉芽腫や分布、縦隔のリンパ節の石灰化も参考になりますね。
日常よく見かける胸膜の石灰化は、陳旧性胸膜炎ですね。ただ実際、壁側と臓側を区別できる症例はそれほど多くない気がします。
アウトプットありがとうございます。
>ただ実際、壁側と臓側を区別できる症例はそれほど多くない気がします。
そうなんです。厚く、石灰化部位が偏在している場合はわかりやすいですが、薄い場合は両方の可能性があり、むしろそちらの方実際は多いですね。
肺胸膜よりでも少し迷いましたが解説に貼ってくれた症例20.21を見返すと臓側によっている印象が強くなりました。解答を見たあと、こんなに寄っているのに迷ったんだと思いました。その目で見て経験値をあげないと自信を持てない気がします。とっかかりになりました。ありがとうございます。
アウトプットありがとうございます。
いくら目を鍛えても、わからないこともしばしばあります。
おっしゃるようにとっかかり、一つのヒントとはなりますね。
胸膜炎は苦手ですが,もう一度復習して覚えておこうと思います.
私も苦手です。
というか、どちらなのか分からないことの方が多いですね。
他の随伴所見を参考に鑑別できればですね。
こんばんは。本日もよろしくお願いいたします。
結核性の胸膜炎と胸膜プラークの鑑別点が石灰化の位置による違いだということがよくわかりました。
やはり肺結核の好発部位であるS1,2,6あたりに陳旧性の結核性胸膜炎の所見も現れやすいのかな、と想像してみました。
アウトプットありがとうございます。
>やはり肺結核の好発部位であるS1,2,6あたりに陳旧性の結核性胸膜炎の所見も現れやすいのかな、と想像してみました。
他部位にももちろん認めますが、おっしゃるとおりです。
あとは縦隔リンパ節に石灰化がないかもチェックしましょう。
症例20,21と今回の症例22で、基本的なことが整理できました。日常出会うのは結核性のものの方が多いと思いますが、これから出会う症例が楽しみです。
アウトプットありがとうございます。
実際はどちらか分からないケースが多いですが、肥厚が目立つ場合は分かりますので注意深く見てみてください。
石灰化を伴う結節性病変がある場合、良性と考えてよいでしょうか? また陳旧性結核以外に鑑別はあるのでしょうか。結節の部位によるのでしょうか。
アウトプットありがとうございます。
基本的に陳旧性結核の頻度が高いですが、教科書的にはポップコーン状に石灰化を認める過誤腫もあります。
また、まれに石灰化を有する肺癌もありますので注意が必要です。
あとは転移性肺腫瘍に石灰化を伴うこともあります。
関連
https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/archives/8056
https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/archives/4923
いつもわかりやすい解説ありがとうおざいます。肺や条件52-53 縦隔条件127-130あたりで肝の下に出現する高吸収域はなんでしょうか?これも結核に伴う石灰化でしょうか?
アウトプットありがとうございます。
こちらも胸膜の石灰化ですね。
横隔膜上の胸膜ですね。