【胸部】TIPS症例19

【胸部】TIPS症例19

【症例】80歳代女性
【現病歴】左腎盂癌に対して左腎尿管全摘術後。フォローCT。
【既往歴】高血圧、心不全、子宮全摘後、多発胸腰椎圧迫骨折、反復性尿路感染

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心臓にどんな所見があり、どんな疾患の可能性がある?

胸部CTの縦隔条件です。

左心室側壁側に心外膜を縁取るように石灰化を認めています。

また大動脈弁石灰化を認めています。

心外膜の石灰化は左室側だけでなく、右室側にも認めていることが分かります。

左室側ではやや心外膜が肥厚している様子が分かります。

 

このような心(外)膜の石灰化を見たときに考えなければならないのが、収縮性心膜炎です。

 

診断:収縮性心膜炎

 

※循環器科コンサルトとなり、心エコーが施行されました。

心エコーにてIVC呼吸性変動良好であり、積極的に収縮性心膜炎の血行動態を示唆する所見には乏しく、現時点では治療介入の必要はないと考える。

ということで、右心不全にはいたっておらず加療は現時点では不要と判断されました。

CTにおいても下大静脈の拡張は認めていませんね。

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【胸部】TIPS症例19の動画解説

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