【胸部】TIPS症例15

【胸部】TIPS症例15

【症例】40歳代男性
【現病歴】糖尿病ケトーシスにて糖尿病内科入院中。スクリーニング目的。
【既往歴】急性心筋梗塞にてPCI後

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肝部下大静脈の左側に脂肪塊を認めますがこれは何?

確かに肝部下大静脈(下大静脈の肝臓に接しているレベル)の左側に類楕円形の脂肪濃度を認めています。

 

下大静脈内の血栓でしょうか?

それとも脂肪を含有する腫瘍(脂肪腫や肝細胞癌など)でしょうか?

 

実はこれも正常変異で、食道や胃の周りの脂肪がこのように下大静脈の横に入り込むことがあります。

 

診断:肝部下大静脈周囲の脂肪組織(正常変異)

 

ちなみに、心臓の心室中隔から左室壁に沿って脂肪濃度を認めています。

既往歴を見ると心筋梗塞があります。

冠動脈を見ると、前下行枝および回旋枝にステントが留置されていることがわかります。

このような心筋の脂肪変性は、陳旧性心筋梗塞で血行再建術後に見られることが報告されており、血行再建術との関連が示唆されています。

ただし、加齢でも認めることがありますので、心筋の脂肪を見たら、即、陳旧性心筋梗塞!!とは判断しないようにしましょう。

関連:

その他所見:

  • 左Wharton管内に唾石あり。
  • 右副腎偶発腫疑い。腺腫の可能性あり。
【胸部】TIPS症例15の動画解説

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