【頭部】症例62-2 解答編

発症から3ヶ月後に再びフォローのMRIが撮影されました。

脳梗塞後の部位に萎縮およびT1WI、FLAIRで脳皮質に沿った高信号の縁取りを認めています。

特にこのT1WIでの脳梗塞後の皮質の高信号を層状壊死(laminar necrosis)といいます。

 

診断:層状壊死(laminar necrosis)

 

ということで、知らずに見ればT1WIで皮質に高信号を認め、出血かとびっくりするかもしれませんが、これも脳梗塞後の変化の一つということで覚えておきましょう。

ここだけ切り取ってもよかったのですが、

  • 若年者の脳出血および脳室内穿破
  • →脳血管造影検査からもやもや病と診断
  • →急性水頭症があるのでドレナージ術を施行
  • →ドレナージ良好であったが、もやもや血管の閉塞・破綻によると考えられる脳梗塞・くも膜下出血を合併
  • →脳梗塞のMRI診断、亜急性期脳出血のMRI画像の復習、もやもや病のMRA所見の復習
  • 慢性期にlaminar necrosis(層状壊死) ←今回のTOPICはコレ。

という復習要素も盛りだくさんの症例でしたので、2つに分けました。

※退院後、待機的に両側EC-ICバイパス術(extracranial-intracranial bypass)が施行されました。

関連:

その他所見:左後頭部にV-Pシャントチューブによるアーチファクトあり。

【頭部】症例62-2の動画解説

お疲れ様でした。

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