【腹部TIPS】症例33 解答編

症例33

【症例】80歳代 男性

エコーにて膵描出不良。採血にてリパーゼ軽度高値。精査目的。

画像はこちら

両側の腎臓がくっついています(癒合しています。)。

癒合腎といわれ、中でも最も頻度の多い、馬蹄腎(ばていじん)の状態です。

 

※馬蹄(ばてい)とは、馬のひづめのことです。U字型です。馬蹄を画像検索すると「ああ、あれか」ですね。

※馬蹄を保護するために装着されるのが蹄鉄(ていてつ)です。

※蹄鉄が取れてしまうことを落鉄(らくてつ)といいます。レース中に落鉄すると影響があるといわれています。見応え十分だったマカヒキとサトノダイヤモンドの日本ダービーは8cm差でした。私の本命はマカヒキでした。

※そういえば、サトノダイヤモンドとキタサンブラックの有馬記念も見応え十分でしたね。

 

どんどん話が逸れましたが、馬蹄腎などの癒合腎で注意すべき点は、

  • 水腎症
  • 感染
  • 結石
  • 膀胱尿管逆流症

を伴うことがあるという点です。

今回はこれらの所見は認めません。

 

診断:馬蹄腎

 

ちなみにこの症例、胆摘後であり、肝右葉に軽度肝内胆管の拡張を認めていますね。

前回の症例32の復習にもなりますね。

 

関連:馬蹄腎が代表的な癒合腎とは?画像のポイントは?

その他所見:

    • 膵に異常所見は認めていません。少し膵は蛇行しています。
    • 腎嚢胞あり。
    • 副脾あり。

お疲れ様でした。

今日は以上です。

今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。