【頭部】TIPS症例70

【頭部】TIPS症例70

【症例】50歳代 女性
【現病歴】3年前より、とある疾患で定期フォローされている。
【身体所見】両側上肢痙縮あり。四肢の筋萎縮あり。深部腱反射亢進、病的反射陽性あり。

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異常所見およびどんな疾患の可能性がある?

FLAIRおよびT2WIにおいて、錐体路に沿った高信号を認め、通常より目立ちます。

また50歳代にしては、側脳室の下角の開大が目立ち、大脳半球の前頭葉及び側頭葉を中心に萎縮を認めていることがわかります。

また少し気づきにくい所見ではありますが、T2WIで中心前回の皮質に帯状の低信号を認めています。

今回の主訴である、上位運動ニューロン障害、下位運動ニューロン障害があり、このような所見を見た場合に考えるべきは、まずは筋萎縮性側索硬化症(ALS)です。

 

診断:錐体路に異常信号あり、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の可能性あり。

 

※錐体路に沿った異常信号を示す疾患はたくさんありますので、この所見だけで筋萎縮性側索硬化症とは言えません。臨床所見などを合わせて総合的に診断します。

※この方は、筋萎縮性側索硬化症としてフォローされており、この検査の1年3ヶ月後に亡くなりました。


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【頭部】TIPS症例70の動画解説


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