【腹部TIPS】症例85 解答編

症例85

【症例】60歳代女性

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とある疾患でフォローされている。その疾患とは?

多発肝嚢胞を認めています。

門脈周囲に集簇している嚢胞もあり、胆管周囲嚢胞(peribiliary cyst)も合併していると考えられます。

嚢胞は肝臓だけでなく、腎臓にも多数認めています。

一部高吸収な嚢胞を認めており、出血を伴った複雑性嚢胞を疑う所見を認めています。

また、両側腎臓が腫大していることがわかります。

これらは、常染色体優性多発性嚢胞腎の特徴です。(複雑性嚢胞は伴わないこともあります。)

 

 

診断:常染色体優性遺伝性嚢胞腎(ADPKD)

 

 

※ADPKD:Autosomal Dominant Polycystic Kidney Disease
※脳動脈瘤を伴うことがありますので、チェックが必要となります。
※胆管周囲嚢胞については症例38で出てきました。

 

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お疲れ様でした。

今日は以上です。

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