
症例86
【症例】50歳代男性
【主訴】左背部痛
【現病歴】1年くらい前から左背部につねられたような痛みが2-3ヶ月ごとに起こっていた。他院受診しエコーにて左水腎症を指摘され、紹介受診となる。
画像はこちら
左水腎症ありますか?
左腎杯から腎盂の拡張を認めています。
水腎症を疑う所見です。
また右腎と比較すると左腎の造影不良を軽度認めています。
いずれも尿路のうっ滞を示唆する所見です。
左尿管を尾側に追うと拡張を認め、骨盤内の下部尿管に結石があることがわかります。
つまり、結石が閉塞機転となって、尿管〜腎盂〜腎杯の拡張を認めていることが分かります。
なお、冠状断像で左腎杯から腎盂の拡張の様子がよく分かります。
診断:左尿管結石による左水腎症/水尿管症
つまり、水腎症はあるということなります。
※ちなみに、この症例では造影CTのみしか撮影されていませんが、結石の可能性もあるならば単純CTがまず欲しいところですね。
その他所見:腎嚢胞あり。
お疲れ様でした。
今日は以上です。
今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。
ひっかけと思って傍腎盂嚢胞としてしまいました…。
アウトプットありがとうございます。
ひっかけじゃないです(^_^;)
腎盂と腎杯の連続性をしっかり確認しましょう。
傍腎盂のう胞は症例27で既に出ていますね。
https://imaging-diagnosis.com/view/x8UCKbE2
もちろん出ているものがもう一度出てくる可能性はありますが。
他の疾患がないかもチェックできるのでやっぱりctとっちゃいますね。造影先にするとこもあるんですね。
アウトプットありがとうございます。
造影のみが今回はされていますね(^_^;)
造影すれば単純で得られる以上の情報が得られると思っている方は意外と多いです。
特に尿管結石や総胆管結石などは単純でないとわかりにくいこともあるのですが。
同様にMRIを撮影すればCTよりも多くの情報が得られると思っておられる方もたまにいますね。
症例ありがとうございます。
左水腎・水尿管症、回答できました。
副所見ですが、左副腎は軽度腫大ありととってもよろしいでしょうか?
アウトプットありがとうございます。
確かに少し下の方が結節状に見えますので所見として取って良いと思います。
何か捻りがあるのかと思いました(*´Д`) 読み過ぎと思いますが他には膵臓の分枝型のIPMN3mm膵頭部と膵尾部 左副腎の小さな腺腫 5mm程度の右腎嚢胞2か所+左腎嚢胞3箇所 上行結腸の腹腔ネズミ 10mm程度の副脾 前立腺の石灰化 左腎周囲の大動脈周囲の反応性のリンパ節腫脹 肝臓の左葉の軽度な腫大S状結腸の虚血性所見などなど見れる・・?
アウトプットありがとうございます。
>何か捻りがあるのかと思いました(*´Д`)
いえいえ、The水腎症を見ていただく意図です(^^)
>膵臓の分枝型のIPMN3mm膵頭部と膵尾部
これは少なくともCTでは指摘できないと思います。
>左副腎の小さな腺腫
これはサイズは小さいですがありそうですね。
>5mm程度の右腎嚢胞2か所+左腎嚢胞3箇所 上行結腸の腹腔ネズミ 10mm程度の副脾 前立腺の石灰化 左腎周囲の大動脈周囲の反応性のリンパ節腫脹 肝臓の左葉の軽度な腫大S状結腸の虚血性所見
リンパ節は腫脹まではいかないと思います。
S状結腸の虚血という所見もありませんが、それ以外はおっしゃるとおりだと思います。
脾臓内のlowはなんですか?
アウトプットありがとうございます。
冠状断像で見てみますと脾門部の切れ込みを見ているだけだと考えられます。
典型的な症例ありがとうございます。参考書等ではありますけど1スライスだけで全体像の把握が難しいですよね。治療後までプランするとまずはKUB,単純CTをきちんと撮影してから・・・となるのかなと考えさせられました。
アウトプットありがとうございます。
>参考書等ではありますけど1スライスだけで全体像の把握が難しいですよね。
そうですね。水腎症こそ連続スライスで全体像を確認することで習得したいところですね。
>治療後までプランするとまずはKUB,単純CTをきちんと撮影してから・・・となるのかなと考えさせられました。
ですね。造影のみで石を見落としたら何のための検査なのかとなりますね。