
症例85
【症例】60歳代女性
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とある疾患でフォローされている。その疾患とは?
多発肝嚢胞を認めています。
門脈周囲に集簇している嚢胞もあり、胆管周囲嚢胞(peribiliary cyst)も合併していると考えられます。
嚢胞は肝臓だけでなく、腎臓にも多数認めています。
一部高吸収な嚢胞を認めており、出血を伴った複雑性嚢胞を疑う所見を認めています。
また、両側腎臓が腫大していることがわかります。
これらは、常染色体優性多発性嚢胞腎の特徴です。(複雑性嚢胞は伴わないこともあります。)
診断:常染色体優性遺伝性嚢胞腎(ADPKD)
※ADPKD:Autosomal Dominant Polycystic Kidney Disease
※脳動脈瘤を伴うことがありますので、チェックが必要となります。
※胆管周囲嚢胞については症例38で出てきました。
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お疲れ様でした。
今日は以上です。
今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。
Axの74-75/91のあたり,左付属器にも小嚢胞があるように見えてしまいましたが,いかがでしょうか(腸管を見ているのかもしれません).
アウトプットありがとうございます。
これはちょっと何とも言えませんね。おっしゃるように腸管のようにも見えます。
CTの限界ですね。MRIならわかるのでしょうけど。
脊柱管が 正常より なんとなく cystic に思いますが、何か関係ありますか?
アウトプットありがとうございます。
うーん。これもCTだけでは何とも言えないです。
病名からは腎臓だけと思いがちですが肝臓などにも多発する嚢胞形成をするのは覚えておかないといけませんね
アウトプットありがとうございます。
そうですね。肝臓や膵臓などに嚢胞を形成し、あとは動脈瘤を形成することがあるので、スクリーニングで頭部MRIを撮影しておく必要がありますね。
肝胆膵のCT,MRIという書籍でその所見を見たことがあリました。ドンピシャでした!
アウトプットありがとうございます。
ドンピシャよかったです!見たことがあるものですとより印象に残りますね。